大分県大分市で起きた大規模火災は24日で発生から7日目を迎えました。
住民の避難生活が長引く中、23日娘に支えられながら避難所を訪れた女性が。
河野ユミ子さん88歳です。河野さんは、焼けた住宅街にある家で1人で住んでいましたが、今は離れた娘の自宅に避難しています。
◆河野ユミ子さん
「(出火当時)横になっていたらトントンと戸を叩くから『どちらさんですか?』と聞いたら『おばちゃん火事よ』と玄関開けてみたら目の前が真っ赤『早く避難して、公民館の方に行って』と。何も持たずにそのまま出ました。着の身着のままで。命の恩人。きょうここで会って話をした。助かりましたと、起こしてくれなかったら私はこの世にいない。ここにいない」
5日ぶりに佐賀関に戻った河野さん。自宅を見に行きましたが完全に焼けてしまっていたと言います。
◆河野ユミ子さん
「涙が出た。こんなになったのかなと思って。60年住んだ家が全く何もなかった。仕方がないですね」
地域の人たちとも再会し、励まし合っていました。
◆河野ユミ子さん
「お互い頑張ろうな」
河野さんが避難しているのは三女・岡部さんの自宅です。
そんな二人が見せてくれた写真。岡部さんの後ろに映っているのが焼けてなくなってしまった佐賀関の家です。
◆河野ユミ子さん
「これが我が家やなと思って。きょうは行ってみたら何もないし。今これを見て思っている。じいちゃんとお父さんが建ててくれた家だと思って今見てる。もうどうしようもないなくなったから」
今は安心できる家族のもとに避難していますが先は見えない状況です。
◆河野ユミ子さん
「住むところがない。行くところがない。ここにお願いするしかない。でもそのうちにどこか施設でも入ろうかと思っている。でないとそんなにも子どもにも迷惑をかけられないし、そう考えている」
今後のことはまだ分かりませんが、岡部さんは優しくそばで支えています。
◆娘・ 岡部智世さん
「こんなに長く(一緒に)いることはいままでなかったので久しぶりに生活できてそれはいい。全然。な?」
◆母・河野ユミ子さん
「そうやな。うれしい」
懸命に前を向こうとしている河野さん。自宅をなくした多くの人たちへ今、支援が必要です。