大分県大分市佐賀関で起きた大規模火災は24日、発生から7日目を迎えましたが鎮火には至っていません。

佐賀関は関あじ・関さば漁で全国的に知られていますが、今回の火災で漁の道具を製造していた地元の工場も被災しました。

会社の社長は22日、工場の再開について「あきらめざるを得ない」とつらい胸の内を明かしてくれました。

全国的なブランド魚、関あじ・関さば。関さばは寒さが増すこれから旬を迎えます。

この日、港には漁を再開した漁師たちの姿がありました。今後の影響について聞くと多くの漁師たちがある会社の名前を挙げました。

◆漁師
「漁師が一番困るのは『八潮工業』といって釣りの重りを作っているところが完全に焼けてなくなった」

◆漁師
「昔から『八潮工業』があって、佐賀関の漁師は全部そこで重りとか釣り針を調達している」

◆漁師
「(他に)業者があればいいけど『八潮』さんだけだから」


佐賀関で釣り針や重りなどの製造を行う八潮工業。

今回の火事で自宅兼工場が焼けてしまいました。

◆八潮工業木崎章二社長
「(市の送迎バスで)現地に行って見たが言葉が出ない、出るのは涙だけ」

(Qどんな状況だった)
「もう荒れ野原というか、今まで見たものが無い。あるのは土、機械の残骸」


八潮工業の社長木崎章二さんです。会社は佐賀関で75年以上地元の漁を支えてきました。

木崎さんは3代目ですが今後、会社を続けることは難しいと感じています。

◆八潮工業木崎章二社長
「仕事はあきらめざるを得ない。もう家が全然無いし、機械も動かない、『新しく機械や設備』とかいう年齢じゃない」

情熱を持って取り組んできた仕事。

しかし、いまは仕事よりも生活の再建を考えなければならないと話します。

◆八潮工業木崎章二社長
「家が無事であればまだやるつもりではいたが、この状況になったらそれを許してくれない。これが人生なんかなという感じ。もう逆らえない、こういう状況というのは認めていかなければ仕方がない」

佐賀関が全国に誇る関あじ・関さば。その漁を支え、地元に愛されてきた工場が被災したことは漁師町に大きな影を落としています。

テレビ大分
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