八木山動物公園のアフリカゾウの「ベン」が11月21日、死にました。推定36歳。国内の動物園で飼育されているオスのアフリカゾウとしては最高齢でした。大きな体と温厚な性格で多くの人に愛されました。
きれいに掃除されたベンの部屋。その前には花と献花台が並び、来園者たちが別れを惜しんでいます。
来園者「お花をあげにきました」
ベンは1990年、南アフリカのクルーガー国立公園からメスの「リリー」とともにやってきました。
野生で生まれたばかりのベンは、その後、大病もなく成長し、ピーク時は体重が7トンに。国内の動物園で最も大きなオスのアフリカゾウになりました。
来園者
「体はすごく大きいが、目も優しくて、そういう姿や表情がすごく好きで、動物園に通うきっかけが、アフリカゾウのベンが本当にきっかけだったので、すごく急な話で寂しい」
ベンを長年世話してきた高橋信也さんです。
八木山動物公園 高橋信也さん
「私が初めて会ったのは専門学校2年生の時の実習で、その時はもちろん子ゾウで、飼育員さんが哺乳瓶でミルクを飲ませていた。十数年後、ベンの担当に戻った時にはもうあんなチビゾウだったのが、日本で一番大きいオスゾウになっていた。それでも私の中ではあの当時の小さいイメージしかなかったので『ずいぶん大きくなったな』って感じだった」
ベンは去年の秋ごろから体調を崩し、今年6月には前足に腫瘍が確認されました。1週間ほど前からは歩くのがゆっくりとなり、21日の朝には立ち上がることができなくなりました。
八木山動物公園 高橋信也さん
「機械や、いろいろなものを使って立たせようとはしたが、それがかなわず、やっぱり自重で内臓とかに負担がかかってしまうので、最終的に亡くなってしまった」
推定36歳。国内の動物園では、オスのアフリカゾウとして最高齢でした。
八木山動物公園 高橋信也さん
「温厚で素直で頭のいいゾウだったなと思います。悲しいというのはもちろんありますけど、市民の皆さんや来園者の皆さんに健康な状態を見ていただくのが第一使命ですので、それが果たせなかったのがやはり残念ですかね。やっぱり…大きいベンのことをいつまでも忘れないでいただけたら。これが一番ですかね」
多くの人から愛されたベン。献花台はしばらくの間、設置されるということです。