21年前、佐世保市で小学6年生が、同級生の女子児童を殺害した事件で犠牲になった児童の兄が23日に講演し、当時の心境や被害者の兄弟への支援の必要性などについて訴えました。

被害者の兄 御手洗さん(36)
「実はきのう事件があったんじゃないかというぐらい」「パッと思い浮かんじゃう。当時の状況が」「頭に焼きついてしまっている」

被害者の兄です。

現在、36歳。

25日からの犯罪被害者週間に合わせ、長崎犯罪被害者支援センターや県警などが開いた講演会に登壇しました。

2004年6月1日、佐世保市の小学校の校舎内で当時6年生だった妹の怜美さんが、同級生にカッターナイフで首を切られ死亡しました。

トラブルの発端はインターネット上の書き込みを巡るものでした。

兄は当時、中学3年生でした。

授業中に呼び出され、別室で校長からニュースの記事が印刷された紙を渡され、事件を知りました。

被害者の兄 御手洗さん(36)
「書かれている内容『妹が間違いなく殺された』ということと、どこで起きたか全てわかる。でもそれに対して、自分が怒っているのか悲しんでいるのか感情が全くわからなくなってしまって」「先が全く見えない状況に置かれていた」

事件の後、自分の感情や悩みを誰にも相談できない状態に陥りました。

そして、高校に入学して2か月後、学校に行こうとした時、突如、足が動かなくなるほどの心身の不調が出たといいます。

御手洗さんが求めているのは遺族のきょうだいに対しても、日常生活が送れているかなどの細やかなケアです。

被害者の兄 御手洗さん(36)
「学校が早くその子の異常に気づけるような体制がもっと早く構築できていればよかったのかなと」

講演を主催した長崎犯罪被害者支援センターでは、電話や面接での相談のほか、病院や警察などにも付き添う支援をしています。

※犯罪被害全般:095ー820ー4977 月~金 9:30~17:00(土日祝、年末年始除く)

テレビ長崎
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