高市首相は、訪問先の南アフリカでの外交日程を終え、24日夜に帰国する予定です。
現地で中国の李強首相との接触がなかった理由と今後の見通しについて、同行のフジテレビ政治部・瀬島隆太郎記者の報告です。
焦点となっていた李強首相との接触を見送った理由について、同行筋は「このタイミングで会っても成果は得られないと判断した」と説明しています。
高市首相:
李強首相と会話する機会はありませんでした。日中間に懸案と課題があるからこそ、それらを減らし、理解と協力を増やしていくべきだと。扉を閉ざすようなことはしていません。
同行筋は、「中国が全く会おうとしなかった。ナンバー2の李強首相にとってはリスクが大きかったのだろう。日本は扉を閉ざさないが、追いすがって会う必要はない」と述べていて、対抗措置が続く中、無理に接触すれば事態が悪化すると判断した形です。
一方で、高市首相はG20首脳会議の機会を生かし、中国以外の各国と会談を重ね、23日は、ドイツやインドの首相と、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携の強化を確認しました。
官邸幹部は「高市流で各国の首脳と一気に距離を縮めた」と成果を強調しています。
今回の訪問で日中関係を巡る事態打開の糸口はつかめませんでしたが、政府関係者は、「中国の世論戦もうまくいっていない」として、「長期戦に本腰を入れる」と話しています。