先週に続き、18日も行われた山上徹也被告(45)の母親への証人尋問。
安倍元総理銃撃事件の裁判員裁判で、母親は、事件の原因は自分にあると話した。
山上被告は3年前、奈良市で演説中だった安倍晋三元総理を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われている。
これまでの裁判で山上被告は安倍元総理の殺害などを認めている一方、弁護側が銃刀法違反など一部の罪の成立などを争っている。
裁判では母親が傾倒する旧統一教会への活動が、事件の動機にどう影響したかが焦点となっている。
■山上被告の母親が再び出廷…
先週、初めて出廷した山上被告の母親。
夫の生命保険金を元手に5000万円を教会に献金したことなどを明かした。
弁護側:今回の事件が起きたことをどう知ったか。
山上被告の母:食事をしていたのかなぁ…ニュースで知ったと思う。びっくりして信じられないと思った。私が加害者だと思っています。

■子供たちに嘘をついて家を売り教会に献金
18日の証人尋問では、さらに4000万円の献金をした時のことについて問われ…。
弁護側:家を売ったけど、子供に影響ありますよね?
山上被告の母:会社に借金があると伝えた。
山上被告の母親は、「会社に借金がある」と子どもに嘘を伝えて家を売り、教会に献金をしていたことを明かした。
弁護側:献金のためとは?
山上被告の母:言わなかった。
弁護側:子どもは信じた?
山上被告の母:はい。申し訳なかった。

■「教会からちやほやされて有頂天になっていました」
そして事件の原因についてどう思うかと問われた時、それまで淡々と答えていた山上被告の母親が矢継ぎ早に話し始めた。
山上被告の母:私が加害者だと思っています。
献金を黙ってしていたし、子どもたちを置いてほったらかしでやってきたのも事実。教会に尽くしたら(家が)よくなると思ったので。それを利用したのは教会だと思う。
たとえ貧しくても本当は心が豊かになるようにするのが本来の宗教の姿なのに、私がはき違えて、教会からちやほやされていることに有頂天になっていました。

■統一教会からの退会についてはあいまいな回答繰り返し…
しかし弁護側に「旧統一教会から退会する意思はあるか」と問われると、あいまいな回答を繰り返した。
また殺害された安倍元総理と教会とのつながりについては。
山上被告の母:どの程度か分からないが、関係はあると思った。
この時、山上被告は険しい表情で、母親の方を見ることはなかった。

■山上被告の兄の死に「私は涙が出なかった」と母親
初公判前に接見した弁護側関係者に対し、「兄が自殺した際の母の態度が、教団に恨みを募らせるきっかけとなった」と説明していた山上被告。
兄の死について検察側からの質問に母親はこう答えた。
山上被告の母親:驚きました。
検察:被告から「悲しんでいない」とか言われましたか?
山上被告の母親:(被告)本人からはないです。わたしは涙が出ませんでした。母の時も父の時も出なくて、なぜ自分はそうなんだろうとずっと思って来ました。

■「徹也は根は悪い人じゃない。私がしっかりしていれば…」
そして山上被告については「母として愚かで申し訳ない」と語った。
山上被告の母親:徹也はそんな、根は悪い人じゃないです。母として愚かで徹也に申し訳ない。私がしっかりしていたら、安倍さんも亡くならずに国会議員としてやっていたと思います。

■「母親の入信を受け入れることができなかった」山上被告の妹が初めて出廷
その後、山上被告の妹が初めて出廷。
家族では唯一、被告と接見を続けていた。
妹は証言台で、自身の生い立ちについて「話すと涙が出てきて口に出すのがつらく、なるべく忘れようと生きてきました」と話した。
また入信している母親について、「受け入れることはできなかった」と明かした。
19日の裁判も妹への証人尋問が行われ、20日からは山上被告への被告人質問が始まる。
(関西テレビ「newsランナー」2025年11月18日放送)

