昨シーズンよりも早い感染拡大となっているインフルエンザについて、こんな注意も…。
厚生労働省は、感染中の異常行動に注意を呼び掛けているんです。

一体、どういうことなんでしょうか。

18日朝、関係閣僚を集めて行われていたのは、感染症の危機管理対応の訓練です。

高市首相:
X国において発生した新型インフルエンザについては、国内への侵入をできる限り遅らせること。その間に国内での患者発生に備え、万全の体制を構築することが重要です。

海外で新型インフルエンザが確認された場合の検疫強化や水際対策、検査や治療体制の確立などをスピード感を持って進めていくことが確認されました。

海外からの新型インフルエンザへの対応が協議される中、国内を見てみると、今、全国のインフルエンザの患者数は12週連続で増加中なんです。

赤で示した「警報」や黄色の「注意報」となっていて、各地で休校や学級閉鎖などが相次いでいます。

そんな中、心配なニュースがありました。

17日正午ごろ、東京・杉並区で、インフルエンザで学校を休んでいた小学1年生の男の子がマンションの植え込みに倒れていました。

男の子は4階のベランダから落ちたとみられ、母親は薬を受け取るために外出し、1人で家にいた際に転落したといいます。

今回の事故の詳しい原因は分かっていませんが、インフルエンザに感染した10歳未満の子供の過去のデータを見てみると、「突然走り出す」「飛び降りる」といった異常行動が多く報告されているんです。

さらに、10歳未満の子供以外にも、10代での報告も多いということなんです。

SPキャスター・中村竜太郎氏:
データを見ると子供が多いんですよね。ですから、こうした異常行動があるということを大人はちゃんと知っておくことが大事だと思います。

インフルエンザの異常行動はなぜ起きるのか。
今回、感染症に詳しい医師に聞きました。

東京歯科大学・寺嶋毅教授:
以前は抗インフルエンザ薬によって「異常行動」の発症が高まるのではと懸念されていましたが、今はそうではなく、インフルエンザそのものによってと考えられています。

異常行動の原因は薬の服用によるものではなく、インフルエンザの感染そのものによって引き起こされたものだということです。

その異常行動ですが、具体的な例を見ていきます。

「突然立ち上がって部屋から出ようとする」「人に襲われる感覚を覚え、外に走り出す」といった行動や、幻覚による混乱やうわごと、「“お母さん”といえずあー、うーと奇声を上げる」、「自分の指を“ハム”だと言い、かじる」などの行動も確認されているということなんです。

厚生労働省によりますと、発熱から2日以内にこうした症状が見られることが多いそうなんです。

東京歯科大学・寺嶋毅教授:
熱が下がったからといって異常行動を起こさないとは言い切れないので、安心するというわけではなく、しっかり目をかけてあげることが大事。

医師によりますと、子供のインフルエンザの療養は窓やベランダのない部屋や、2階建てなら1階。
窓やベランダや玄関の鍵をかけておくことが大事だということだそうです。

青井実キャスター:
基本はお子さんから目を離さない、大人が付き添ってあげるというのがありますが、ただ、ずっと見てあげられないというのもありますよね。

宮司愛海キャスター:
対策をしっかりとっても…というところもあると思いますし、いろんなことを私たちも伝えていかないと思いますが、あとは、例えば親が休みやすい職場環境を整えるといった広い意味での改善も必要になってくるのかなと感じましたね。