広島市の平和公園にある原爆供養塔に安置されている遺骨をめぐり、広島市は身元を特定するために初めてDNA型鑑定を行うことを明らかにしました。
平和公園の原爆供養塔には、引き取り手のない約7万人の遺骨が眠っています。
2025年5月、原爆供養塔納骨名簿に名前が記載されている「鍛冶山ミチ子」さんについて、行方がわからなくなっている「梶山初枝」さんの手掛かりを探す男性から、記載間違いではないかと問い合わせが寄せられました。
調査の過程で骨つぼの中に遺髪もあることが分かり、専門家からの「80年前の毛髪でDNAの抽出は厳しいが可能性はある」との意見を踏まえ、初のDNA型鑑定を行うことを決めました。
鑑定費用は1件につき約10万円で、市が全額負担します。
広島市は「一人でも多くの原爆犠牲者の遺骨を返還するのは市の責務。DNA鑑定ができる可能性に期待する」としています。