各地で止まらないクマ被害。
先週、北海道でクマが車に突進する緊迫の場面をカメラが捉えました。
ドライバーは車をバックさせて逃げようとするも、クマはうなり声を上げ、執拗に追いかけてきているのが分かります。
ボンネットには大きな爪痕も残されていました。
“クマ災害”が続く日本列島。
10日もクマの出没が相次いでいます。
雨が降る中、木の上であくびをするクマ。
周囲では警察官などが様子をうかがっています。
10日午前6時過ぎ、長野・大町市の大町温泉郷で、ホテルのスタッフから「クマ1頭を目撃した」と通報がありました。
市や警察などが駆け付けパトロールをしたところ、木の上にいるクマを発見。
その後、午前9時半過ぎにクマは吹き矢で麻酔を打たれ、捕獲されました。
クマの体長は1.2メートルほどだということです。
また、富山・砺波市では、住宅敷地内の納屋に侵入し居座っているクマを発見。
家主:
一度目撃情報があったが結局見つからなかった。誤報かなと思っていたが、まさかうちに来るとは思わなかった。(家の外に)出たらダメだという話が来たのでLINEで。
市は午前8時5分に「緊急銃猟」を発令。
その後、納屋の中で2発発砲され、体長1m30cmほどの成獣のメスのクマ1頭が駆除されました。
家主:
良かったと思う。もし緊急(銃猟)がなかったら、おりでも置いていかれるかなと思っていた。見つかってからすぐ処理してもらわないと、どこへも出られない。
さらに山形・酒田市でも、10日午前7時前に柿の木に登っているクマを近くの住民が目撃し、警察に通報しました。
市は対策本部を立ち上げ、「緊急銃猟」の実施を決定。
周囲の通行を制限するなど、安全を確保したうえで親子とみられるクマ3頭を駆除しました。
人や建物への被害はありませんでした。
この週末もクマの出没が相次ぎました。
9日、北海道・札幌市の円山動物園の敷地内でクマの足跡が見つかりました。
足跡は10cmほどで、川に沿って複数残されていたということです。
また青森県では9日午前4時ごろ、ラーメン店の男性従業員が開店前の準備作業をしていたところ、クマに襲われけがをしました。
男性は命に別条はないということですが、ラーメン店のオーナーは「(従業員がけがをしたのは)鼻の上です。出血がひどくてビックリしました」と話します。
岐阜・大野町で発見されたのは、寺の駐車場をうろうろと歩くクマ。
7日、体長約1メートルのクマが目撃され、寺の住職が警察に通報しました。
クマは寺の敷地内に2時間半ほど居座ったあと、山に引き返していったということです。
けが人はいませんでしたが、目撃情報を受けて、地元の猟友会などが寺の裏山に果物を置いたワナを設置するなど対応に追われました。
宮城・多賀城市では、10月末ごろからクマのような動物の目撃情報がありました。
警察が防犯カメラ映像を確認したところ、そこに映っていたのは大きめのネコ。
しかし翌日、「茂みの方で木が動いている」と再びクマの目撃情報が。
ただ、警察と市が現場を調査した結果、茂みを動かしていたのは風と判明。
クマに対する人々の不安が敏感になっていることが浮き彫りになる出来事も発生しています。