福島に根付く食文化。その一つに飯坂温泉名物「ラヂウム玉子」がある。
福島県福島市の飯坂温泉。“熱い”ことで知られる温泉だが、ここでラヂウム玉子は作られる。源泉かけ流しの湯に1時間つけることで、プルプル・フワフワの食感に仕上がる。
そういえば、どうして「ラヂウム玉子」と言うのか知っているだろうか?
阿部留商店・3代目の阿部孝義さんは「昔の話。ラジウムが入っていることを発見したらしいんだよね、そこからラジウム温泉」と語る。
元素「ラジウム」が、日本で初めて発見されたのは飯坂温泉と言われていて、この阿部留商店(あべとめしょうてん)が温泉名物として「ラヂウム玉子」を開発した。
販売開始から100年以上経った今も、変わらない製法でその味を守り続ける姿勢などが評価され、文化庁の「100年フード」にも認定された。
伝統を守るだけでなく、新商品やグッズ開発など「ラヂウム玉子」の魅力を広く、強く伝えるための挑戦も続けている。
阿部留商店・4代目の奥田健さんは「100年フードに認定されるような、一つの食文化だということは、すごく大きいことでありがたいこと。これを次の100年に繋いでいけるように伝統も残しながら、革新的なこともして両方を良いバランスで繋いでいきたい」と語る。
源泉の場所やタマゴの種類によって味が変化する気まぐれさも「ラヂウム玉子」の魅力とのこと。冬に向け日ごとに冷え込んでいく季節、熱い温泉と熱い気持ちがこもった名物で、飯坂の文化を楽しんでみては?