日本各地で相次ぐクマによる被害は今、世界でも広がりを見せています。
2025年9月、ロシアの極東の街にある駐車場で撮影された映像では、車の後ろを男性が歩いていると、画面の右下から近づいてくる黒い大きな影が。
すると、クマは軽々と塀を乗り越え男性を襲撃。
驚いた男性は車の中へ。
寸前のところで避難するも、クマは繰り返し車をたたいています。
地元メディアによると、クマは男性を襲う前に84歳の女性を襲撃していて、女性は搬送先の病院で死亡。
クマは別の場所で駆除されたといいます。
日本ではヒグマやツキノワグマが有名ですが、世界には8種類が生息しているというクマ。
物的被害が相次いでいるというトルコでは、駐車された車がクマによって激しく破壊されたり、農業用ハウスの中で栽培中のレタスをむしゃむしゃ食べる姿も。
その一方で、自然の中でのクマの生活を乱す、人間による餌やりも問題になっています。
日本のみならず、世界でも大きな被害を及ぼしているクマ。
野生動物保護管理事務所・大西勝博主幹は「北米東海岸北部とかヨーロッパのルーマニアで、人身被害も含めて被害が増えてきている」と話します。
ヨーロッパのスロバキアでは、人がクマに襲われる被害が2024年、1900件に。
当局は2025年、駆除枠を前年比2倍以上に拡大しました。
一方、ルーマニアでも、駆除できる頭数を2024年の2倍以上に増やす措置を含め、対策の強化が進んでいます。
専門家によると、日本は世界と比べてクマの生息密度が高く、その分、人との遭遇率も上がり、被害が大きくなりやすいということです。
野生動物保護管理事務所・大西勝博主幹は「偶発的に(人に)会ってしまって、防御的に人に危害を加えるという可能性の方が世界的にも被害が起きやすいというのは分かっている。そういったことを避けるためにも、誘因物(ゴミや残飯など)を徹底的に整備することが大事」と指摘しています。