高市首相は、7日の衆院予算委員会で、「単年度ごとのプライマリーバランス黒字化目標の達成状況を見ていく方針を、私は数年単位でバランスを確認する方向に見直すということを検討している」と述べ、これまでの政権が掲げていた「早期の単年度プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化」という目標を事実上「取り下げる」と明言した。

立憲民主党の本庄政調会長の質問に答えた。

プライマリーバランス=基礎的財政収支は、政府が政策を実行するうえで必要とする経費(国債費を除く)を、政府の収入でどれだけ賄えているかを示す指標で、財政健全化の目安とされている。

政府は6月、経済財政運営の指針である「骨太方針2025」で、プライマリーバランスについて「2025~26年度を通じて可能な限り早期の黒字化を目指す」としていたが、立憲の本庄政調会長は高市首相に対し「所信表明演説で『プライマリーバランス黒字化』という文言がなかったのはなぜか。目標を変更したのか、目標自体を下ろしたのか」と迫った。

高市首相は、まず「責任ある積極財政という考え方のもとで戦略的に財政出動を行い、強い経済を構築し、経済成長率を高めるというのが、私の内閣の方針だ」と強調した。

そして、「必要に応じてプライマリーバランスの目標年度についても再確認を行う。つまり、単年度ごとのプライマリーバランス黒字化目標の達成状況を見ていく方針を、私は数年単位でバランスを確認する方向に見直すということを検討している」と答弁し、「骨太の方針2025」で掲げていた目標について「単年度のプライマリーバランスという考え方については、変更する、取り下げると考えていただいて結構だ」と明言した。

高市首相は答弁で、「単年度のプライマリーバランスはG7の中でも特異な考え方だ」とも指摘し、「これからの財政運営のあり方としては、少し長いスパンで見ていきたい。単年度ごとにバランスを確立するということではない」と重ねて強調した。

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