「来年6月までには決めなければいけない。(移転先が)絞られているというほどではないが、エリアごとの課題や可能性は多少整理されてきている」(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 前沢賢常務)
2軍本拠地移転が「2026年6月」までに決定か
北海道日本ハムファイターズ2軍本拠地の移転で新たな動きだ。
当初は2027年と言われていた移転先の決定だが、球団側は2026年6月までに決める意向だということが分かった。

関係者が注目している自治体は?
現在候補に上がっている6つの自治体の中でも、関係者の間で評価が高まっているのが江別市。
最も早く誘致期成会が立ち上がり、3万3000筆を超える署名を集めた。

期成会は「高い評価をしていただけるのはありがたい。署名・広報活動を続けていく」とコメントしている。
高評価に対し江別市民は。
「若者としては来てくれた方が経済が回る」
「来れば人も集まるし、そこで働く人も増えるのでいい」(いずれも江別市民)

もう1か所、評価が高まっているのが苫小牧市だ。
商工会を中心に周辺の白老・安平・厚真・むかわの4つの町とともに期成会を設立し、スポーツ合宿を多数受け入れている実績をアピール。
JR苫小牧駅前や道央道の苫小牧東インター周辺など、候補地の選定を積極的に進めているのが評価を得ているようだ。

「1市4町の広域連合や胆振地方に拡大した活動を評価してもらえるなら、今まで通り継続して頑張っていく」(苫小牧市誘致期成会 外囿心一幹事長)
後発ながら高い評価を得ていることに苫小牧市民は。
「ファイターズファンなので、とても楽しみにしている。ぜひ、来てほしい」
「人口が増え売り上げも伸びて、観光名所にもなる」(いずれも苫小牧市民)

一方、5万筆以上の署名を集め、有力視されていた恵庭市。
エスコンフィールドや新千歳空港とのアクセスなど、立地の良さを売りにしてきた。

江別市や苫小牧市の評価が高まっていることに地元の期成会は。
「人口7万人の市で5万筆を超える署名というのはすごい数。『他のマチが』ではなく『わがマチを』のスタイルで、これからも頑張っていきたい」(恵庭市誘致期成会 中川 淳一 幹事長)
市民もあきらめていない。
「江別市と苫小牧市が高評価ということで、残念だが盛り返してほしい」
「差はそんなにない気がする。道路などは変わらないし、広い土地もある。負けられないと思う」(いずれも恵庭市民)

“キーパーソン”が語る移転先の基準とは
野球施設に関する事業費は150億円前後で、総事業費は数百億円規模が見込まれる新本拠地。
はたして移転先はどこになるのか。
ボールパーク事業を手掛けてきたキーパーソン、前沢賢さんがUHBの取材に答えた。
「やったことがないことをやるのは大変。大変な状況を打破しようとする姿勢や思いは非常に重要。今までの12球団の2軍施設には、立ち入り禁止のエリアがたくさんある。それをできるだけなくして、選手やチームとどう共存していくかがポイント」 (前沢常務)
ファイターズ2軍の新しい本拠地は2026年6月までに移転先を決め、2030年の開業を目指している。

前沢賢常務が2軍本拠地選定で大事にしているポイントとは。
まずは、行政の熱意。
やったことのない大変な状況を打破しようとする、その地域の姿勢に着目。完成がゴールではなく、その先の経営も含めてどういった熱意があるか。
さらに候補地それぞれが、どう開発費用を工面していくのか。
市の負担なのか国の補助金を活用するのかなど、経済的な話も踏まえて、2026年6月に候補地を決めたいとしている。
