ズワイガニに似た「オオズワイガニ」が、2023年ごろから北海道・えりも漁港で突然大量に水揚げされるようになり、豊漁が続いている。
漁協によると、これまで40年間、一度もとれたことがなく、赤潮の影響が要因ではないかと考えられている。
地元では、地域経済を支える救世主として期待が高まっている。

ズワイガニそっくりでも価格は半分以下

埼玉・春日部市の「みどりスーパー」の店頭にズラリと並べられているのは、たくさんのカニ。
近年、異例の豊漁が続き、その手ごろな価格とおいしさで評判となっているという。

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そのカニの名は「オオズワイガニ」。
見た目や名前は「松葉ガニ」に代表される「ズワイガニ」にそっくりだが別の種類で、価格も違うという。

市場関係者:
もう全然違います。倍どころじゃないくらい、全然違う価格帯なので。

ズワイガニより断然手ごろだという。

28日午前5時過ぎ、「イット!」は千葉・柏市の柏市公設市場で、オオズワイガニを扱う「みどりスーパー」の仕入れ作業に同行した。

みどりスーパー・塩浦朗社長:
おぉー!ありますね。元気ですね、きょうも。オオズワイガニですね。

箱の中には、北海道産の新鮮なオオズワイガニがびっしりと詰まっている。

みどりスーパー・塩浦朗社長:
1箱3kgですね、3kgで7杯入っています。

仕入れたオオズワイガニは、家庭で食べやすいように丸ごと蒸して、熱を取ってから店頭へ並べられた。
気になるお値段は、税込950円だ。

みどりスーパー・塩浦朗社長:
朝市場にあったのがもう食べられる。はやい・安い・うまいです。

その味の方はどうなのか。
試食したスタッフは「身もしっかりしていて、かめばかむほどカニの味が口いっぱいに広がっておいしいです」と感想を語った。

えりも漁港で突如大量発生…1日に約7トンの水揚げ

「みどりスーパー」がオオズワイガニを扱い始めたのは、約2年前から。
きっかけは、水揚げ量の変化だった。

北海道・えりも町のえりも漁港では、1日に約7トンの水揚げがあるという。
オオズワイガニがとれるようになったのは、ごく最近のことだと関係者は話す。

えりも漁業協同組合 参事・金子武彦さん:
えりもでは私、漁協に勤めて40年になりますけど、まったくとれたことはなかったですね。

オオズワイガニは、2023年ごろから突然大量にとれ始めた。
なぜ増え出したのかははっきりしないが、地域おこしの新たな味となりつつあることは間違いない。

えりも漁業協同組合 参事・金子武彦さん:
なぜとれ始めたのかはわからないです。たまたま赤潮の影響のあとだと、私たちはそういうふうに思っています。救世主ですね、オオズワイガニは。
(「イット!」10月29日放送より)

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