安倍元総理の銃撃事件で、殺人などの罪に問われている山上徹也被告の2回目の裁判が行われた。
当時、現場にいた議員が出廷し、事件直後の安倍元総理の様子を語った。
■事件前日のインターネット検索履歴が示される 事件当時の映像には表情変えず
記者リポート:午後0時半前です。きょうも厳戒態勢がしかれる中、山上被告を乗せたとみられる車が奈良地裁に到着しました。車内の様子をうかがうことはできません。
裁判2日目。
山上徹也被告(45)は、黒の上着にきのう(=28日)はかけていなかった眼鏡をかけて法廷に現れた。
29日の裁判では、検察側の証拠の説明が行われ、山上被告が安倍元総理の襲撃を一度断念していた、事件前日の岡山県での応援演説に関するインターネットの検索履歴などが示された。
法廷で事件当時の映像が流されたが、山上被告は一切表情を変えず見ていた。

■安倍元総理のそばにいた議員が証人として出廷
また、安倍元総理が銃撃された際に、すぐ近くにいた佐藤啓参議院議員が検察側の証人として出廷した。
佐藤啓参院議員:私の応援演説で銃撃されて亡くなった。自責の念。安倍先生を慕う人に大変申し訳ない。許せない。選挙はすべからく民主主義の根幹で、現職の国会議員に対して、こういうことをするのは、言論を暴力で封殺する行為。民主主義への挑戦である。

■「安倍先生を助けなければ」議員が語る当時の様子
当時、佐藤議員は応援演説を行っていた安倍元総理の斜め後ろにいて、その奥には山上被告の姿も確認できる。
周りに警護を行う警察官はいたものの、山上被告には気づいていなかった。
その直後…安倍元総理が打たれた際、佐藤議員が驚いたような様子も…。
佐藤啓参院議員:後方から爆発音が聞こえてきた。1回目を聞いた時は、身をかがめる行動をとった。2回目がなった時には、振り返って安倍先生に駆け寄った。地面に倒れていたので、『総理、総理』と2回声をかけた。
佐藤議員は「聴衆は何が起こったか分かっていない状態で、我々はとにかく安倍先生を助けなければと思った。心臓マッサージや止血など安倍先生を囲んで処置をした。その場で意識が戻ることはなかった」と当時の様子を語った。

■終始うつむき気味で話を聞く山上被告
山上被告は終始うつむき気味で佐藤議員の話を聞いていた。
30日も裁判は行われ、検察側の証人として安倍元総理の解剖を担当した医師や捜査に当たった警察官が出廷する予定だ。
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月29日放送)
