先週土曜日に発表された文化功労者。佐賀県関係者からは、武雄アジア大学学長予定者の小長谷有紀さんが選ばれました。小長谷さんが魅了されたモンゴルや文化人類学とは。
【小長谷有紀さん】
「我が事と聞いてびっくりしました。これを晴天の霹靂と言います。という感じでした」
文化の向上・発達に特に顕著な功績があった個人が選ばれる文化功労者に選出された、小長谷有紀さん67歳。
大阪府出身で、京都大学文学部に進学後、1979年、日本人女性として初めてモンゴルへの留学を経験。
当時、社会主義国家となり途絶えていたモンゴルの遊牧文化を研究し、現地調査に基づき優れた研究成果を生み出しました。
1996年に出版した「モンゴル草原の生活世界」は国際的に評価されています。
【小長谷有紀さん】
「社会の仕組みの大きな違いとか、世界の構造的な対立とか、そういうことを理解した上で行ったわけじゃなくて、行って初めてあの体で感じるっていうことでしたので、ソ連と中国に挟まれた少人数の国ですから、やはり人口というものを産めよ増やせよという時代でしたので、皆で育てていくという勢いがあったと思います」
モンゴルでの日々全てが印象深いエピソードと話す小長谷さん。
人間の社会や文化を研究する文化人類学については、学問の世界だけのものではなく、身近にあるものだと言います。
【小長谷有紀さん】
「人間の営みというのが全てデータで証明できるとか、そこに反映されているわけではなくて、データで解けないことがいっぱいあるはずなんですね。そこが文化人類学の出番だと思います。自分以外の物に対して、水平的な目線で接するという所が文化人類学の最大の魅力だと思っています。若い後進を勇気づけることにつながったら良いなと思います」