日本の憲政史上初めて女性首相が誕生しました。自民党の高市早苗総裁が10月21日、第104代総理大臣に選出され、新たな枠組みの“与野党”の議員からは、期待や批判の声が上がりました。

第104代総理大臣に選出された自民党の高市早苗総裁
第104代総理大臣に選出された自民党の高市早苗総裁
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■「自維連立」で高市首相誕生…東海3県の議員は

自公連立の解消で、一時、総理の座が危ぶまれた高市総裁でしたが、衆議院本会議の一回目の投票で過半数を獲得しました。自民党に加え、連立を組む日本維新の会や、一部の無所属議員が投票したとみられます。

ただ、維新を加えても「少数与党」として、厳しい国会運営が予想されます。愛知4区が地盤の自民党・工藤彰三議員は…。

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自民・工藤彰三衆院議員:
「2年半、政治と金の問題で信頼をなくしてきたのが自民党ですから、そういうことじゃなく『身を切る改革』がスローガンの維新と組んでいくので、こちらも資金の透明化、国民に対してオープンに隠し事なくいろんなことをやらなければ信頼していただけませんから、そこはきちっと改革をやっていく」

日本維新の会として、東海3県唯一の国会議員・杉本和巳議員は、「自民党を変えるために懐に入っていく」と覚悟を語ります。

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維新・杉本和巳衆院議員:
「笑う余裕なんかなくて、皆さんの暮らしがあって物価高があって、ガソリン代は高いままで…ということが3カ月続いたという“政治の停滞”。政治を前に進め、しかも自民党をきれいに変えていってもらうというのを、“懐”から内側から求め続けていく」

「玉木総理」誕生の可能性も一時取り沙汰された、国民民主党の代表代行を務める古川元久議員は…。

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国民・古川元久代表代行:
「国家国民のために必要な政策実現のためであれば与野党関係なく協力する、こうした従来のスタンスをこれまでも、そしてこれからも続ける。一日も早く、私たちが訴える『手取りを増やす経済政策』を実現して、物価高で苦しむ国民の皆さんの生活を少しでも楽にしていくことだと思っています」

総理の指名選挙に向け、維新・国民民主と政権交代を描いた立憲民主党でしたが、その願いは叶いませんでした。代表代行の近藤昭一議員は、政治と金の問題をうやむやにしたまま、維新が連立入りしたことを批判します。

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立憲・近藤昭一代表代行:
「(企業・団体献金の禁止について)先送りしてしまうような形で合意を取って、維新が自民党政権を支える。しかも閣内に入らずに閣外から協力するということは、内閣の一員としての責任を果たす覚悟がないというか」

■初の女性首相誕生で…「似顔絵」にも“変化”

歴代首相の似顔絵湯飲みを製造する岐阜県土岐市の「山志製陶所」では、早速作業に取り掛かっていました。

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49年前からこの湯飲みを作っていますが、初めての女性総理に気を使った部分があるそうです。

山志製陶所の加藤貴仁専務:
「女性ということで、どの辺までのしわを描いていいのかとか苦労しました。きりっとした、きれいな眉毛をされているので、その辺をうまく出せたかなと思います」

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実は、この似顔絵は、2024年の石破前首相との総裁選の際に作成していたといいます。1年で変わってしまった日本の首相に期待することは…。

加藤専務:
「(維新と)連立を組んでいろいろ約束事を決めたと思うので、クリアな政治になって日本を良くしていってほしいなと思います」

■「物価高対策」に期待も…消費税減税は『検討』に

東海地方の人々に、新政権に期待する政策について聞きました。

60代の会社社長:
「昨年と比較しても、売り上げが何となく落ち込んでいるなというのがあるので、個人(消費)を刺激するような経済対策を」

景気対策を望む声があがった一方で、多くの人が期待するのが「物価高対策」です。

40代のパート:
「子供が多くて食費がかかるので、物価高を何とかしてほしいです。議員の定数を減らすということで、(税金の)使い道が減るのかなと思うので、そこをちょっと還元してもらえたら」

大学生:
「自分が学生なので、親の負担とか学費とかあるので、その辺が安くなってくれたらうれしい」

70代:
「消費税をちょっと下げてほしい。(以前は)5000円くらいでいっぱい買い物できたんですけど、今は1万円出して同じような品物を買っても、本当に少ししかお釣りがこない」

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自民と維新の連立政権発足で、私たちの暮らしは今後どうなるのか。まずガソリン暫定税率については「廃止へ」ということです。

消費税減税について、維新が訴えていた「食料品限定0%」は、自民との合意書では「2年間ゼロも視野に法制化を検討」としています。

『検討』という表現にとどまったことに、ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「維新が一緒にやる事によって、やっと踏み込んだなと思ったら、合意した内容が『検討』では実現しない可能性もある。『絶対やる』という合意をしてほしかった」と話しています。

自民党が参院選で掲げた2万円給付について、維新は「現金給付を行わない」ということで立ち消えとなりました。

鈴木哲夫さんは「もともと国民の評判は良くなかったので、立ち消えになるのは当たり前のこと」としつつ、「物価高対策として、消費税減税がどうなるか、注意深く見なければいけない」と今後のポイントをあげました。

東海テレビ
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