自民党と日本維新の会の連立政権となった高市内閣。
「newsランナー」は”維新”の創設者・橋下徹さんにインタビューしました。
この数週間の維新の動きをどう見ていたのでしょうか。
■「15年で政権与党になるのは感慨深い」と橋下さん
【橋下徹さん】「全く偶然で降って湧いた話ではなく、だいぶ前から馬場前代表のやり方から変えようと。維新の議席数にこだわるのではなく、自民・公明を過半数割れに追い込んでいこうと。
過半数割れになった時には維新の価値が最大限上がるので、個別の政策協議をやるのか、もうひとつ『連立』という選択肢をおいて準備に入っていたのがこの結果になった。
ただ少し、感情的なことを言わせてもらえれば、2009年から松井一郎さんを中心とした、大阪府議会議員たった6人が維新の始まりですからね。いまや約15年で政権与党になるのは感慨深いところがある」
■「玉木財務大臣・吉村総務大臣」は消えたけど…
一方で、ことし8月、維新の吉村代表、国民民主党の玉木代表と「newsランナー」で共演した際には…
【吉原キャスター】「橋下さんからどうしてもいいたい事があるそうで…」
【橋下徹さん】「玉木財務大臣&吉村総務大臣」
2人に対し、閣僚入りして、本気で国を変えてほしいと要望していました。
いまもその思いは変わらないのか聞くと…
【橋下徹さん】「いまの日本の政治行政の仕組みは古すぎるんで、大阪府知事と総務大臣は兼職はできない。吉村さんは大阪府知事を貫くというのであれば、吉村さんの総務大臣の芽は消えましたけど、でも『副首都法案』を実現するために、大臣にはついてないけど、自民・維新・国民民主で政策実行していく枠組みはできたんじゃないですかね」
■「『イケイケどんどん政治』のコントロールを」と橋下さん
そして、「閣外協力」については…。
【橋下徹さん】「(入閣は)いきなりは無理ですよ、維新のメンバーよく知っていますけど、担える人材はいまいないと思いますよ。吉村さんも認識して、かっこつけて大臣を出すんじゃなくて『無理』って判断したんでしょう、いまはね。訓練してから大臣やるって現実的なプロセスだと思う」
最後に、与党の代表となった吉村さんにいま、求めたいことを問うと、保守派の高市新総理と組むにあたっての外交へのアドバイスが…
【橋下徹さん】「できもしないことを一部の支持者向けにアピールする、『アピール政治』はもうやめて欲しい。何かあれば(中国・韓国に対して)毅然たる対応って、力があっての毅然たる対応なんでね。
いまの自民と維新の『イケイケどんどん政治』は自分の力を顧みることなく、威勢のいいことをやりかねないなんで、吉村さんにはそこはしっかりコントロールして欲しい。あとは体気をつけてね!」
■「大臣」になるより”政策実現”
生出演した吉村代表は、橋下さんの意見を「真摯に受けたい」と発言しました。
【維新・吉村代表】「橋下さんが維新を創業して、僕も一緒に随分(長いこと)やってきましたし、アドバイスとして本当に真摯に受けたいなっていう気持ちです」
【吉原キャスター】「あと、『閣外協力』という今回この形なんですが、高市さんから維新に『大臣のポストお願いします』っていう打診はあったんですか」
【維新・吉村代表】「それはありましたね」
【吉原キャスター】「それを吉村さん断ったっていう形なんですね」
【維新・吉村代表】「そういうことになりますね。まず、この政策合意書で50ぐらいの項目あるんですけど、これをまず実現することが僕は大事だと思ってるんです。大臣になりたいわけじゃないんです。
大臣のポストが欲しいわけでもなくて、公約を実現すること。(合意書に)維新の改革のエッセンス入ってますから、国政政党としての。それを実現したい。これを実現するのが、まず僕の行動軸、思想の考え方。
そう考えたときにどういう体制が一番いいのかなっていうのをよく考えたんです。そうすると、まずは、与党になると、これまで野党みたいにとにかく文句言って終わりではなかなか進みませんから、ある意味巨大戦艦である自民党と一緒に、法案の事前審査であったり色んな協議事項がたくさん出てくるんです。
党とすれば、1つに固まってやった方が、連立合意の中身は政策が実現できることに近づくなというふうに判断したということですね。我々、与党の経験ないですから。
全く、地方政治で与党の経験すらない人もたくさんいるので。なので、そう意味で国政制度の与党として始めていくということで、まずは党が1つの塊になって、自民党と政策協議をして、合意書に書かれてることを実現していく方が僕は実現に近づくと判断したので、そうしたということです」
■力をつければ「閣内協力」も?
【吉原キャスター】「橋下さんは『適任の大臣がいまいない』という話もしてましたけれども、これについての受け止めはいかがでしょう?」
【維新・吉村代表】「しっかりと政策実現することで、経験も積みながら、国政政党としての力をつけていきたいと思ってます」
【吉原キャスター】「力をつけたら今後、閣内協力するっていう可能性もありますか」
【維新・吉村代表】「最後は総理が決めることですけども、我々に力がついて、そしてその時の判断として、必要だとなれば、それは当然あり得ることになると思いますね。ただ、今は先ほど申し上げた通り、今ではないと僕は思ってます」
【犬山紙子さん】「私は率直に『閣内に入った方が政策が進みやすいんじゃないか』って思っていたので、一見、矛盾するような感覚があったんですけれども、そのあたりの声に対してはどのようなご意見お持ちでしょうか?」
【維新・吉村代表】「実際はそうではなくてですね、例えば政権は内閣があると同時に与党という政党があって、結局タッグで物事が進んでいくんですね。大臣になったから、一挙にこれが進むっていうものでもなくて、与党できちんと合意をまとめていったりすることも非常に大事になります。
例えば『議員定数の削減』は内閣にはある意味関係ないんですね。議員立法なので。
『副首都』についても、『総務大臣じゃないか』って意見もあるんですけど、副首都も実は今回、議員立法でやろうとしていますから。実は関係ないということになるんですよ。
政策を実現していく上で大臣になったらええやんかっていうのでもないのが、今の日本の仕組みなので。現時点では、まずは政策実行していくんであれば、与党として、ひとつになって政策協議をしていった方が最終の結果に近づくなというふうに思ってます」
■吉村代表の国政進出は…
【吉原キャスター】「大阪府知事と与党代表の二足のわらじなんですけども、その後、国政進出というのは考えてませんか?」
【維新・吉村代表】「その後のことまでは考えてないですけれども、本当に自分に与えられた任務、まず知事として、多くの人に投票してもらいましたので、しっかりと職責を果たしていく。任務を全うしていくというのが僕は当たり前だと思ってますし、有権者との約束を果たしていくということが大事だと思っています。
また、党の代表ですから、僕も日本人だし、日本良くしたいという思いもあるし、子供たちもいるし。そういう意味では、与党の党首として、連立の合意に書かれた政策、これを実現してちょっとでも、少しでも日本が前進する日本を作りたいと思ってます。そこに、まだまだ力足りないかもしれませんけど、全集中でやっていきたいと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月21日放送)