21日、自民党の高市早苗総裁が新首相に選出されました。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」には、連立政権を組んだ、日本維新の会・前原誠司前共同代表が国会前から中継で出演。
自民党との連立について、「信頼と同時に警戒も必要」と答えました。
■連立の背景「野党の自己主張が強くなった」
【青山和弘さん】「前原さんは民主党に移って、ずっと野党の代表も務めてやってこられました。それから政権交代を目指すということをずっと掲げてきたと思うんですが、今回、改めて自民党の総裁に投票する時が来たことを率直にどう思いますか?」
【維新・前原前共同代表】「多党化が進んで、なかなか野党がひとまとまりできないという状況がありますし。それぞれの野党が、いい意味でも自己主張が強くなってきて、『じゃあ一緒に政権を担いましょう』という雰囲気がないですよね。
石破政権の時もそれぞれの野党が、自分たちの政策実現のために与党と交渉すると。多党化の流れの中で、それぞれの政党が小さくても政策実現を求めて行くという、1つの形かなと思っています」
■昔の連立政権時は「お払い箱」になった前原氏
【青山和弘さん】「時代の流れという認識ですか。そんな中できのう、日本維新の会と自民党の連立協議がまとまりましたが。私は先送り感もある曖昧なところも多い合意だと思いましたが、前原さんはどう思いますか?」
【維新・前原前共同代表】「私は逆に『細かいな』と思って合意を見てたんですね。もちろん大きな方針だけだと『中身がない』という批判があるかもしれませんが、私はこの1週間でかなり細かなところまで来たなと思っています。
私が政権運営をしたときの政権合意はもう少し柱立てのようなものだったので、逆に言うと今回の合意は細かいという印象を持っています」
【青山和弘さん】「前向きに評価されてるということですね」
【維新・前原前共同代表】「中身は大事なんですけども。自民党はいま、数が足りませんね。そして数が足りないときは頭を下げて連立を組む。
しかし、『自社さ政権(自民党・社会党→社民党・新党さきがけ)』の時は、結局、橋本龍太郎さんになられて支持率が回復したら、最後は社民党とさきがけはお払い箱だったんですよ。
私はそういうことは今回もあり得ると思ってるんですね。ですから、相当、政策合意を現場でギシギシやっていく中で、我々の政策実現の旗をしっかりと降ろさないようにやらないといけない。
自民党という政党は、いい意味でも悪い意味でも、何でもありの政党なんで。そこは本当に『信頼をする』と同時に『警戒もする』両面が必要だと思いますね」
■「維新の要求」と「合意内容」
維新が要求した内容を抜粋すると
1.国会議員の定数削減…臨時国会で1割を目標に削減
2.企業・団体献金…完全禁止
3.消費税・現在…職人置いて2年間ゼロ
でしたが、合意書では
1.1割削減を目標に臨時国会に議員立法案を提出し、成立を目指す
2.協議体を設置し、高市総裁の任期中に結論を得る
3.飲料食品について2年間、消費税の対象としないことも視野に検討を行う
となりました。
■「議員定数削減」は丁寧な議論を
【青山和弘さん】「議員定数の削減、この臨時国会で成立を目指すということで合意されましたけれども、もしこれが実現できなければ『信頼関係』ができなかったということで『連立離脱』も充分あるということですか?」
【維新・前原前共同代表】「少し個人的な意見も申し上げると、合意したのはいいし、目指すというのはいいんですけども、選挙制度、あるいは議員定数の問題というのは、自民と維新で決められる問題じゃなくて、すべての政党が関わる中で決めていくというプロセスをやらないといけない。
選挙制度とか議員定数は、民主主義の根幹ですので、これを自民と維新で合意したからバサッとやりますと言うのは、私は乱暴すぎるというふうに思いますね。
ちゃんと野党も巻き込んで、50議席削減を『比例で』と言っていますけれども、少数政党が少なくなることにもなりますよね。
であれば、選挙区20減らし、比例30減らすことになったら、区割りもしなきゃいけないじゃないですか。同時に東京ばかりに議員が集中して、例えば鳥取はいま1区と2区ありますけど、1つになっちゃうかもしれませんね。
我々から投げかけたボールではあるけれども、丁寧な議論をしないと、私は批判を受けるだけだと思いますね」
■「閣外協力で良かった」と前原氏
【青山和弘さん】「維新に対し『大臣ポストを2つあげる』というようなことを高市総裁が言ったという話もあります。そこであえて、『社会保障の改革を実現したいなら厚生労働大臣とか、副首都実現したいなら総務大臣』のポストをとり、自分たちでしっかり責任を持って改革を実行する手もあったと思いますが、『閣外協力』となったことは良かったと思っていますか?」
【維新・前原前共同代表】「私は良かったと思っています。1つは、自民党、公明党は26年間信頼関係を培って連立運営されてきた。自民党と維新はきょうからスタートなんですね。そうであれば、政策をまとめるメカニズム、調整するメカニズム、こういうものも1から打ち立てて行かなくてはいけない。
本当にしっかりと約束したことが積み上げていけるのか。たちまち予算編成などが来るということになると、しっかりとそれぞれの部会、委員会で、我々が配置され与党になるわけですから。その場で、政策実現のためにまずは頑張ってみるということで、『自民党の本気さ』をしっかりと確認をするという意味においては、当初は閣外協力でいいんじゃないかと思いますね」
■「連立は丁寧にも丁寧を積み重ね」と前原氏
【青木源太キャスター】「自民と維新が組んでも過半数いかないという中で、政策をスピード感を持って実現して行くために大切なポイントというのはどのあたりでしょうか」
【前原前共同代表】「自民・維新の政策決定メカニズムをきっちり作り上げるということが大事であると同時に、今回、高市さんと衆議院で書いていただいた中には、我々の仲間であった守島さんたち3人と、有志の会の北神さん、こういった方々もおられますので、こういった方々との連携をしっかりやるということ。これが必要だと思いますね。
つまりは、今日から始まった新たな連立政権でありますので、丁寧にも丁寧を積み重ねていき、お互いの信頼関係を培っていく。そういった私は本当に緻密さというものが求められるのではないかと思います」
【青木源太キャスター】「自民と維新の政策決定メカニズムという言葉がありましたけれども、そういった意味で言うと、これまでの自民・公明とはまた違う形の、自民と維新の連立政権という新しい形を模索して行くということでしょうか」
【前原前共同代表】「自公で政策決定のメカニズムを作っておられた。そして『自社さ』の時も政策決定メカニズムがあった。じゃあ自民と維新はどういう政策決定をやっていくのかということを(藤田共同代表に)『ここがキモですよ』と私からもさせてもらいました。
つまりは、大が小を飲まないためにも、我々からしっかりと12項目政策合意したものについての実現と共に、しっかりと、小であろうとも連立政権を担うという我々の考え方をどれだけ自民党がしっかりと受け止めてもらえるか。これの積み重ねでしか自民・維新政権の今後はないと思ってますので、丁寧にやることが大事だと思います」
■「自民党を議論をやりあってほしい」と石原氏
【自民党・石原伸晃さん】「私もその通りだなと思うのは、ものを決定するプロセスをしっかりと積み上げていかなきゃいけないと思うんですね。前原さんは『さきがけ』にもいて、自民党・社会党・さきがけの連立政権は、与党で協議会作って、もう全部のテーマでかんかんがくがくの議論をしたじゃないですか。
私も税制調査会が長いので、実は自公でも与党税調というのはあったんですが、『自社さ』の時のすごいやり合うみたいな、そういう議論はあんまり無かったような印象があるので、ぜひこれから年末にかけて、政策の中で税制というのは大きなポイントになりますので、前原さんも入っていただいて、しっかりとした与党税調で、そこでやりあうことを国民の皆さん方に見せると、そういうプロセスをぜひやっていただきたいと思います」
【維新・前原前共同代表】「ありがとうございます。石原さんおっしゃるように、自社さのときはですね、自民党さん、社民党さん、さきがけ、(議員比率は)10:3:1ぐらいだったんですが。1:1:1の調整会議、人数配分を作って議論をしました。
とにかく小といえどもしっかりと政策について連立を組み、我々が組まなかったら高市政権は発足してないわけですから」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年10月21日放送)