自民党との連立に合意した維新の会ですが、政策協議の際、大きな柱の1つとなったのが、「副首都構想」だ。
聞きなじみのない政策だが、その裏には、大阪の姿を大きく変えるかもしれない、維新の“一丁目一番地”の政策として知られる「大阪都構想」が見え隠れする。

■「知らない」「聞いたことない」街の人の反応は…
待ちの人に、「副首都構想」を知っているか聞いた。
街の人:知らない。
街の人:知らないです。聞いたことないです。
街の人:聞いたことはある。
(Q.内容は?)
街の人:それは知らない。
「知らない」や「名前は聞いたことがあるけど、詳しい中身はわからない」という人が大半のようだ。

■「目指すはバックアップ」東京と並ぶ都市を大阪に!
一体、「副首都構想」とは何なのか。
ということで、副首都構想実現に向けた維新のプロジェクトチームのメンバーの1人、高見亮大阪市議に話を聞いた。
大阪維新の会・高見亮大阪市議:副首都法案で目指しているのはバックアップであり、東京と並ぶような都市をこの大阪府・市はこの数年ずっと目指してきましたので。
副首都構想とは、災害やテロなどで東京の政治や行政機関がストップした場合に備え、バックアップする機能を持った「副首都」を設置する政策のこと。
維新 吉村代表:副首都と社会保障(自民党との連立の)これが絶対条件です。
維新は、来年の通常国会に、「副首都法案」を提出するため協議体を設置することで自民党と合意した。

■「副首都」言い始めたのは誰?
そもそもこの「副首都」。誰が言い始めたものなのか?
関西テレビの原稿検索システムに「副首都」と入力してみると…
記者リポート:副首都と入力すると、一番古い原稿は2010年ですね。
当時のニュースでは、民主党、石井一参議院議員が「副首都構想」を提唱し、大阪府の橋下徹知事と意気投合したことが伝えられていた。
橋下徹・大阪府知事(2010年当時):首都機能のバックアップ機能を建設するという大きなビジョンを

■副首都機能の必須条件キーワードにあの「特別区」
しかし、今回掲げられた副首都構想には、”首都機能のバックアップ”にとどまらない、維新のあの”一丁目一番地”の政策の存在が見え隠れしているのだ。
日本維新の会・吉村洋文代表:大都市法に基づく”都構想”が副首都としての役割を担うのであれば必要ではないか。
維新の会が掲げる”副首都”にふさわしいのは、どの都市なのか。
先月、維新がまとめた骨子には、副首都機能を整備する自治体に必要な条件として、こんな文言が…
「当該道府県の区域内において、大都市地域における特別区の設置に関する法律による特別区の設置が行われていること」
「特別区」といえば…
大阪維新の会・橋下徹元代表(2015年)」:5つの特別区役所で、細やかな行政をやらなければいけないという思いで大阪都構想を提案しました。

■「副首都には大阪都構想が不可欠」と吉村知事
維新の“一丁目一番地”である、いわゆる「大阪都構想」。
大阪市を廃止して複数の特別区に分割し、府と市の二重行政をなくすことが狙いだが、これまでに二度、住民投票で否決されている。
しかし、吉村代表は先週の府議会で、「第二の経済圏である大阪がふさわしい」と述べた上で…
日本維新の会・吉村洋文代表:(※知事としての答弁)「副首都を担うのは大阪府ですか、大阪市ですか、と言われたときに、行政を知っている人間は正面から答えることができないと思います。大都市法に基づく”都構想”が副首都を本当に担うのであれば必要ではないか。
つまり、「副首都には大阪都構想が不可欠であること」を明言しているのだ。

■維新以外の各党から「3度目の住民投票」を警戒する声
これに対し、維新以外の大阪市議からは、「3度目の大阪都構想の住民投票につなげようという思惑があるのでは」と警戒する声も上がった。
自民党・森山禎久大阪市議団幹事長:副首都構想の理念は災害時のバックアップであれば賛成です。ただ大阪都構想が絡むのが初めにあってすることはどうなのか。
公明党・土岐恭生大阪市議:政令指定都市を廃止しない限り、副首都はできないわけですから。永遠にできないと。政令指定都市を廃止しなかったらできないという、そういう立て付け自体が問題だと思います。
共産党・山中智子大阪市議:副首都を本気でやりたいと思ってるとは思わないから。あまりにもむきだしに大阪で都構想を掲げ直せる口実作りのように感じる。
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月20日放送)
