10月20日、自民党との連立に合意する「日本維新の会」。21日の総理大臣指名選挙で、自民党の高市総裁の選出が確実な情勢です。

閣外協力の形で自民との連立のパートナーになる維新。しかし、2024年の衆院選では激しくぶつかっていました。

10月19日、祭り会場でみこしを担いでいたのは、愛知10区を地盤とする維新の杉本和巳議員です。連立入りには、慎重と本音をのぞかせましたが、政治を変えるためにあえて自民と連立を組む、と意義を強調します。

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維新・杉本和巳衆院議員:
「誰のみこしを担ぐか?これは党の決定に従うつもりです。(連立入りに)賛成はしたくないけど、そこまで腹をくくっているなら、じゃあ一緒に頑張ろうということです」

一方で、後援会長には危機感が…。

杉本議員の後援会長:
「(自民党に)のみ込まれるのではないかと。自民党は約300人、こちらは約50人。その中で渡り歩くというのは、なかなか維新も厳しい状態に置かれたと思っています」

連立入りで埋没しないためにも、与党として成果を出してほしいとした上で…。

杉本議員の後援会長:
「杉本に望むことは、小選挙区で今度勝つということです」

そんな杉本議員、選挙の顔となるポスターに気になる点が。2025年8月ごろから、左隅にあった吉村代表の顔を隠すように、四字熟語を書いた紙が貼られていたのです。もしや、離党を考えているのでしょうか。

維新・杉本和巳衆院議員:
「地元の方々に『あれ?変わったな』と思っていただくのと、その際にせっかくだから皆さんに四文字熟語を考えていただきたいなという思いで、単純に吉村さんには申し訳ないなと思いつつも。離党はしませんね、突っ込んでいきます」

衆院選で杉本議員と激しく争った自民・若山慎司議員。意外にも、維新の連立入りは歓迎と話します。

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自民・若山慎司衆院議員:
「(維新と)連立を組むことによって、国会の状況が安定することに近づくのであれば、私は良いことじゃないかと思っています」

その一方で、支援者が心配するのは、26年の協力関係が途切れた公明党との関係です。

若山議員の支援者ら:
「公明党さんのお力は大きかったですから。この辺では、あまり維新はピンとこないんですよ」
「公明党と別れたら、なかなか難しい。次の選挙がどうなるのかなと」

若山議員自身はどう考えているのでしょうか…。

自民・若山慎司衆院議員:
「公明党の皆さんも、人物を見ていただけるようになるんじゃないかと思っていますし。これまで以上に努力しなきゃいけないということだけで、何かを大きく失ったとか、そういうふうには受け止めていない」

自民と維新の関係が大きく変わる中、もう一人のライバルが。立憲民主党の藤原規真議員です。衆院選で共産や社民の市議らと街頭に立つなど、“勝手に野党共闘”を進め、若山議員と杉本議員を抑え愛知10区で勝利しました。

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そんな藤原議員、幻となった国民民主・玉木代表を総理候補に担ぐ構想について、裏話を明かしていました。

立憲・藤原規真衆院議員:
「立憲民主党のある偉い方から電話がかかってきまして、『(立憲と国民の)幹事長会議の3要件を知っているか?藤原くんはのめないだろ。首班指名は誰の名前を書くんだ?』と。(私は)『玉木首班でまとまるために緊急事態条項の改憲をのむのであれば、私は造反します。首班指名、内閣総理大臣は藤原規真でいきます』と」

自民と維新の連立政権で、戦い方は変わるのでしょうか。

立憲・藤原規真衆院議員:
「(自民・維新の連立で)選挙区の構成というか、組み立ては大きく変わってくるだろうなと。意外なところから票を獲得できるような発信を、いろいろ続けていこうと思っています」

自民の高市総裁と維新の吉村代表は、20日午後6時から党首会談で連立入りに正式に合意をし、維新の閣外協力による高市政権があす誕生する見通しとなりました。

しかし、今後の課題も残っているようです。それは選挙での競合です。

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自民や維新など各政党は、小選挙区ごとに設けている支部に次の衆院選の候補者となる支部長を置いています。

東海3県でも、愛知3区・4区・10区・15区、岐阜4区の5つの選挙区では、自民と維新がそれぞれ支部長を置いていて、両党で調整をしない限り、次は「与党同士」で激突する形になってしまいます。

東海テレビ
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