来年から福島県内で働く全ての人に適用される最低賃金は時給1033円に。初の1000円台。引き上げ額・引き上げ率ともに過去最大。働く現場には、どんな影響が出るのか?

■従業員は時給引き上げを歓迎
福島県内を中心とした飲食チェーンのかつ丸福島西バイパス店では、スタッフ35人のうち30人がアルバイトやパートタイムといった時給で働く従業員だ。
「物価が段々上がってきてるので、その分給料が上がるというのは、その分生活に優しくなるので嬉しいです」と従業員は話す。

■県内で初の時給千円台に
働く人の収入を左右する重要な指標「最低賃金」。県内では2026年1月1日から現在の時給955円から78円引き上げられ、初の千円台、1033円となる。この店舗でも40円以上の時給引き上げを予定しているという。
かつ丸福島西バイパス店の武田佳代子店長は「材料とか全部そういったところにも(物価高騰の)影響があるので、そこに人件費がぐっと上がるということは、私たちにとっても頭が痛い所ではあります」と話す。

■最低賃金の引き上げで「年収の壁」に影響
福島商工会議所が県内約600の事業所に行った調査によると、約6割が最低賃金の引き上げで「人件費への影響がある」と回答。また、時給が上がることで税の優遇が受けられる上限、いわゆる「年収の壁」に早く到達することも経営側にとっての課題だ。

■繁忙期の人員確保に期待も
この店舗でも客足が少ない時に一部のスタッフを早く帰らせ、繁忙期の人員を確保するなど調整に汗をかいているが、一方でこんな期待も…「家でじっとしてた方が短時間でも働いてみようかなっていう方があるかなっていうので、私はちょっと期待してます。たくさん(来客)来て頂くことを続けて行けば、経費の圧迫に対する防衛にはなるかなということで」とかつ丸の武田店長は話す。

臨時国会の幕開けを10月21日に控え、「年収の壁」のさらなる引き上げも駆け引きの材料に。経営者・労働者にとってより良い仕組み作りが求められている。

福島テレビ
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