東日本台風から1年…復興工事へ

1年前の東日本台風では関連死も含め、宮城県内で20人が死亡、2人が行方不明となった。
「自分たちの手で生活を取り戻す」…土砂崩れで被災し、復興工事に関わることになった丸森町の男性は、復興への決意を新たにした。

東日本台風で大規模な土砂崩れが起きた、丸森町の廻倉と子安地区。
9月4日、復興工事の地鎮祭が行われた。

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大槻武光さん:
10日ぐらい前から現場がスタートしました。きょうは除草した下草の片付けが終わって、木の伐採も終わって、伐採した木を集積しているところです

建設会社社長の大槻武光さん(51)。廻倉地区にある自宅を襲った土砂崩れの現場で、復興工事を担当している。

大槻武光さん:
ほとんど変わっていないですよね、災害当時から。道路もひどいし、雨が降ると砂利が流されて、もっとひどい状況になる。やっと工事がスタートしたから、希望というか、安全に生活できる足がかりができたという感じ

今回の工事では、廻倉地区と子安地区に砂防ダムなどあわせて24基が整備される計画で、2021年9月の完成を目指している。

大槻武光さん:
今までこの仕事をやってたて集大成というか、思い入れが一番ある仕事ではありますよね

150カ所以上で土砂崩れが発生した丸森町

大槻武光さん撮影(2019年10月12日): 
「やべえ!」

道路を覆い尽くす茶色い濁流。
台風が接近していた2019年10月12日、自宅前で大槻さんが撮影した映像。
丸森町では、12日の午後10時までに、300ミリ以上の雨量を観測。150カ所以上で土砂崩れが発生した。

大槻武光さん:
まさか何もなかった普通の山が突然土砂崩壊して、自宅を襲ってくるっていうのは、まったく想像できなかったことで、信じられない思いですね。一度こうなったら、台風って聞くと、不安は付きまといますね

台風の直後は再び土砂崩れが起きる不安から、廻倉に住み続けるか悩んでいた大槻さん。復興工事が始まったことで、角田市に避難していた息子家族も自宅に戻り、日常を取り戻しつつある。

大槻武光さん:
砂防ダムを造れば、安全に安心して生活できるようになるので。着工も決まり、自分たちで施工できるというのもあって、安全に生活できるのであれば、ここに住もうと思って

もう一つの工事現場、子安地区。この場所には台風前、一軒の家があった。

大槻武光さん撮影(2019年10月13日): 
やばい、家がない。うわあ。利子さんと、きのうから連絡つかないんだってよ

家は大雨で発生した土砂崩れに巻き込まれ、身を寄せていた大槻竹子さんと娘の利子さん、親戚の小野新一さんの3人が亡くなった。
また、利子さんの妹の小野正子さんは、現在も行方不明となっている。

大槻武光さん:
やっぱり何度見ても胸が苦しくなりますね、これ見ていると

大槻さんはこれまで、小野正子さんの手がかりを探そうと捜索を続けてきた。

大槻武光さん:
やっぱり複雑ですよね。本当は(小野さんが)見つかって、きちっと区切りがついてから工事が始まれば一番いいんでしょうけど、みんなここは生活道路として使っているから、そういうわけにもいかないですし

丸森町によると、東日本台風によって町内を流れる川の338カ所で決壊や越水が起き、土砂崩れは150カ所以上、道路の被害は341カ所に及んだ。
すべての復旧が終わるまでには、3年以上かかる見込み。

大槻武光さん:
住民も道路が安全に通れるよう待っているので、少しでも早く、みんなが安心して通れる道路、安心して生活できる状態に早くできるように頑張っていきたいと思う

(仙台放送)