秋の味覚・カキに異変が起きている。例年なら大ぶりの身を楽しめる時期だが、2025年は猛暑による海水温の上昇で成長が遅れ、小ぶりなものが目立つという。日本一の産地・広島では水揚げ開始が例年より約20日遅れ、宮城でも出荷解禁を1カ月近く延期する異常事態となった。
東京の人気店も「マガキが小さい」
ぷりっぷりの食感を楽しめる秋の味覚・カキ。「海のミルク」とも呼ばれるご馳走に、今異変が起きていた。

イット!が向かったのは東京・港区にある、バター炒めなどのカキ料理が楽しめる「Crab Shrimp and Oyster 赤坂」だ。
店の名物は、全国各地の新鮮な生ガキだ。中でも1番人気は、ウニにイクラに極め付きはキャビアまで乗った「極み生牡蠣」だ。お手頃なお値段で高級食材の融合を感じられる。
石渡花菜アナウンサー:
ウニとイクラが最初にガツンと香りがきました。噛んでいけばいくほど、カキの磯の香りとクリーミーさがふわっと広がって、口の中で海を体感できる味でした。
そんな秋の味覚に、今異変が起きている。
Crab Shrimp and Oyster 赤坂・木村耕二副店長:
これが試しで発注したものなんですけど…。結構やっぱり小さいな。
マガキはあからさまに小さい。色々開けると「これも小さい」というのが結構あります。

本来であれば10月頃に入荷が始まり、今の時期なら大きな身を味わえる「マガキ」だ。
しかし、2025年は猛暑の影響で海水温が上昇したため成長が遅れ、今出回っているものはサイズが小さくなってしまっているという。
Crab Shrimp and Oyster 赤坂・木村耕二副店長:
ずっと大きいサイズだけ採れないというのは困りますね、かなり。
都内にある別の店にも話を聞くと「マガキの入荷シーズンが例年に比べて遅れており、小ぶりなのに値段は高くなっている」などの声が聞かれた。

日本最大の産地である広島県では、養殖カキの水揚げが例年であれば10月1日から始まるが、2025年は猛暑などの影響で20日にずれ込む異常事態になっている。
水揚げを遅らせるのは2年連続となり、加速する猛暑が海の幸に打撃を与えていた。
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影響は他の名産地でも起きていた。