夏休みも病気と闘い、治療を続けている子供たちに花火大会を手作りする病院がある。
奔走する医師や看護師たちの姿を取材した。

入院中の子どもたちへ “特別”な花火大会

7月、鳥取・米子市で目を輝かせ夜空を見上げた子どもたち。

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その中には、車いすに乗った女の子や、点滴をしながら花火を見る男の子の姿もあった。

会場となったのは、病院の駐車場だ。
夏休み期間も入院中の子どもたちや、その家族のために打ち上げられた“特別な花火”。

入院中の子どもと一緒に花火を見た親たちからは「花火を楽しみに入院生活を頑張ってきた」「来年は退院して来ます」という声が聞かれた。

舞台となったのは鳥取大学附属病院(鳥取・米子市)。
病床数は600以上、山陰地方で最大規模の病院だ。

約半年前から入院している1歳2カ月の禾椰(かや)ちゃんは、2月に「急性骨髄性白血病」と診断され、今は抗がん剤治療を続けている途中。
普段外に出ることができない禾椰ちゃんは、病院で“初めての花火”を見ることになった。

禾椰ちゃんの父親:
普段は寝ている時間だろうし、どういう反応するか楽しみです。子どもたちも夏の気分を味わえたらいいんじゃないかなと思います。

この病院の「小児病棟」には、現在およそ30人の子どもたちが入院していて、「夏休み中」も病気と闘っている。

鳥取大学附属病院 医師 杉原誉明さん:
夏休みを僕らと同じようにちゃんともらっていない。
僕らが病院に花火を連れてきて子どもたちに夏休みをプレゼントしたい。

5年前に「病院での花火大会」を発案した消化器内科の医師、杉原誉明さん(50)は、「どうしても子どもたちに花火を見せたかった」と話す。

鳥取大学附属病院 医師 杉原誉明さん:
毎日、痛い治療とか、本当につらい思いをして治療をしている子どもたちがいっぱいいるので、どうしても(病院で)花火をあげたかったんですよ。

そして「花火大会」当日、病院に花火師たちが到着した。

花火師:
皆さんの日頃の行いがいいのか、いい天気すぎて。

天気は「快晴」。 絶好の“花火日和”となった。

打ち上げ会場の「病院の駐車場」で、花火師たちが準備を始める。

そんな中、救命救急センターの前には即席の「かき氷屋台」が登場。
子どもたちは、それぞれ好みのシロップを選んでいた。

かき氷を作っていたのは救命センターの看護師長とICUの看護師長。

まさに、この花火大会は病院をあげての「夏祭り」だ。

日が落ち始めた本番30分前、各病室から、子どもたちが大移動を開始。
中には、ベッドのまま、病棟の外へ向かう姿も。

打ち上げ会場に変身した「病院の駐車場」に、子どもたちとその家族が続々と集まった。

しかし、その中に禾椰ちゃんの姿はない。
直前の検査で、病棟の外には出ない方がいいという判断がされたためだ。

父親、姉とは別々に花火を見る事になったが、禾椰ちゃんはペンライトとうちわを持って“やる気満々”なご様子。
母親と一緒に、花火が見える部屋に移動した。

そして花火が打ち上がると、駐車場では大きな歓声が上がった。

スマホで写真を撮っていた中学生は―。

入院中の中学生:
きれいな花火で、すごく嬉しかったです。記録にいっぱい残して、病室の中でもちゃんと見返せるように。

花火はおよそ15分間、子どもたちを照らした。

病棟の中から見ていた禾椰ちゃん―。

禾椰ちゃんの母親:
普段何も経験させてあげられてないので、花火を間近で見せてあげることができて。
お姉ちゃんも会場に来ていて、同じ花火を見て、家族みんなで頑張ろうってなりました。

それぞれの思いを胸に見上げる夜空…。
およそ600発の花火は、病院に“特別な時間”を届けた。

鳥取大学附属病院 医師 杉原誉明さん:
同じ時間を、同じ空間を、病気の人も、それを支えるスタッフも、いろんな地域の人たちも、同じ空を見上げるってとても貴重な15分間だと思うんですよね。
とにかく、這いつくばってでも続けていくことが、僕らのミッションですので、ぜひ来年も頑張っていきたいと思います。 

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