連日、20万人以上が訪れている大阪・関西万博。入場予約がなかなか取れず、“入れない”万博となる中、インターネットやSNSでチケットの高額転売や、代金を支払ったもののチケットが届かないという詐欺被害が相次いでいる。
お金をだまし取ったという人物が取材に語ったのは「ただの金稼ぎでやってます。詐欺られた側も問題がある」という呆れた言い分だった。

■朝9時から長蛇の列 チケットあっても入場予約できない
連日大盛況の大阪・関西万博。
記者リポート:閉幕まで2週間を切った万博会場では、入場が始まった朝9時の段階で、長蛇の列ができています。
来場者数は、連日20万人を越えていて、これまでにおよそ2千270万人に!
閉幕日までの予約の枠もほぼ満員で、チケットを持っていても、入場予約ができない人が続出。

■“入れない”万博 ログインできず携帯とにらめっこ
さらに、当日券の販売は9月30日で終了となり、“並ばない”万博は、もはや“入れない”万博となっている。
なんとか入場枠を獲得した人は…
来場者:ログインがもうできないんで。
来場者:ずっと携帯とにらめっこしてました。
来場者:前もってチケットはゲットしてました。みんな考えが甘いわ。涼しくなって行こうと思うから。大阪のおばちゃん計算づくよ~!

■当日券求め徹夜で並ぶ人々…
そんな万博会場で、時を遡ることおよそ3時間…
記者リポート:現在午前6時半です。未使用チケットを当日券に交換しようと、多くの人が集まっています」
博覧会協会は9月27日から未使用チケットを当日券と交換しているが、一日数百枚限定のため、早朝から大混雑に。
先頭に並んでいた子ども:夜の8時から並んでて。レジャーシート敷いて、クッションとか置いてその上に寝転がって。寝心地はまあまあ良かった」
(Q.何時間寝れた?)
前夜から並んでいる人・大阪から:1時間くらいですかね。子供たちの笑顔が見れたらチャラだと

■始発では遅い! 当日券は当日から並んでも入手困難
前日から並ぶ人がいる一方、始発に乗って来た2人は…
スタッフ:本日分終了してるので。
始発で来た人:何時に…?
スタッフ:日によって違うんですけどだいたい6時半くらい。
始発で来た人:朝の6時半!?
(Q.今日はもう入れない?)
始発で来た人:そう、こんなと思わなんだね。もう今日しかないわと思ってね、頑張ったんですけど。(同行者に)海遊館でも行く?もったいないね。

■「転売禁止チケット」も堂々と転売、詐欺被害も相次ぐ…
そんな中、インターネットではチケットをめぐる動きが活発化している。
記者リポート:フリマサイトを見てみると、多数の入場チケットが出品されていて、なかには定価の4倍以上の値段がついているものもあります。
入場枠をすでに押さえたとするチケットが多数出品されていて、中には「転売禁止」と明記されたチケットも堂々と転売されている。
さらに、こんな問題も…
SNSの投稿より:詐欺に遭いました。
SNSの投稿より:チケット購入のため入金しましたが、詐欺でした。
転売で購入したチケットが届かない“詐欺”が起きているというのだ。

■「追加の金を求められ…」被害男性の怒りの声
実際に被害に遭ったという兵庫県出身の男性は、足が不自由なため、暑さがやわらいだこの時期に行こうとしたが、チケットが手に入らなかったという。
チケット”詐欺”に遭った男性:万博のサイトでも取ろうとしたんですけど、もう満員で全然なくて。Xで検索したら10月に障がい者枠で(チケットが)あるというのを見つけたので、そこから(DMで)やり取りが始まりました。
(Q.いつのチケットがいくらで売られていた?)
チケット”詐欺”に遭った男性:10月1日ですね。7400円ですね。
マイナンバーカードの写真が送られてきたことなどから相手を信用し、7400円を送金した男性。
しかし送られてきた「チケット」などと書かれたPDFデータにはパスワードがかかっていて、追加の金を求められたということだ。
(Q.約束の7400円を支払ったのに、さらにお金を求められた?)
チケット”詐欺”に遭った男性:はい。それ以上お金は払いたくないので、もうやめたいと伝えました。後から後からお金というのはよく詐欺であるので、そういうことかなと。
その後も、「返金するから一旦1万8000円を送ってほしい」などとあの手この手で送金を求めてきた相手。
文章に不自然な部分もあったが、「韓国で育った」などと説明していて、最終的にチケットの送付にも返金にも応じることはなかった。
(Q.相手に対してどんな気持ち?)
チケット”詐欺”に遭った男性:ほんまに腹立つということしかないですね。自分の弱いところもありますが、だまそうとするのがすごい腹立ちますね。

■「早いもの順です」と書かれ、焦って詐欺に遭った人も
また、大阪府内に住む女性は9月29日、母親たちと行くためのチケットを購入しようとして被害に遭った。
(Q.いくら送金した?)
チケット”詐欺”に遭った女性:3枚購入する予定で、19500円ですね。確認します、という返事だけ返ってきて、そこから音信不通になりました。
公式サイトでは購入出来ず、SNS上での購入に踏み切った女性。
なぜだまされてしまったのか。
チケット”詐欺”に遭った女性:その方のプロフィールに”早いもの順です”と書かれていて、早く取らないといけない焦りとかが大きかったかもしれない。

■「金稼ぎでやってます。詐欺られた側も問題」加害者のあきれた言い分
さらに・・・
チケット”詐欺”に遭った女性:(相手の)アカウント自体は生きてて、なおかつ新規投稿で何回も投稿されているので…。
なんと、相手のアカウントは今も投稿を続けているというのだ。
そこで、取材班はチケットを譲る気はあったのか直接問い合わせてみることに。
すると、およそ15分後…
記者リポート:相手のアカウントから返事がきまして”お譲りする気は全くの他ありません”などと返信が来ていて、相手からブロックされたのか、これ以上やり取りができなくなっています。
チケット”詐欺”をした人物からの返信:ただの金稼ぎでやってます。事前に送金なんてあれほど詐欺だと言われているのに、詐欺られた側も問題があると思います。
返って来たのは”だまされた側が悪い”といった、なんとも身勝手な主張だった。

■「できる限りのことはやっていく。高額チケットは買わないで」と吉村知事
こうした被害について、吉村知事は…
大阪府・吉村洋文知事:犯罪で許されないものですけども、被害にあわないためにも、本来高額でやり取りするものではないので、転売されている高額チケットには手を出さないようにお願いしたい。
一方で、もう新たに万博へ行くことはできないのか聞いてみると…
大阪府・吉村洋文知事:多くの人が最終盤に来たいと思ってくれるのは非常にありがたいことだが、キャパシティの一定の制限はある。その中でできる限りのことはやっていきます。
泣いても笑っても閉幕まであと12日。
多くの人が納得し、脈々と受け継がれる万博となるのだろうか。

■橋下氏 終盤の来場者殺到は「メディアの責任もあるのでは」
こうして会期の終盤になって、来場を希望する人が殺到している状況について、橋下徹さんは、「メディアの責任もあるのでは」と指摘する。
橋下徹さん:万博会場への入場制限は安全のために絶対必要です。未使用チケットが予約できない問題については、『4月・5月・6月・7月…と1カ月ごとに売る』とか、通期パスについては『(入場回数など)制限をかけるべき』とか、今になったらいろいろ(アイデアが)出てくるんですよ。
でも振り返ってみてください。4月、5月なぜ出足が悪かったかというと、メディアを含めてみんな、『つまらない』とか『目玉がない』とか言いまくっていたじゃないですか。
だからチケットをとにかく買ってもらおうと思って、『4月から10月までどの日付でも行ける』とか、通期パスも利用しやすいようなやり方にした。今こうなってしまったのは、メディア側の方の責任もあるんじゃないですか。
これに対し、newsランナーの竹上キャスターは「取材でお話を聞いてみると『メディアで取材したものを見て、行ってみたくなった』という方もいらっしゃいます」と反論した。

■「ミャクミャク」販売など装った「にせサイト」に注意を
また万博では、人気を集めている公式キャラクター「ミャクミャク」を巡って問題が起きている。
それは『ミャクミャクにせサイトに注意』。
セキュリティ会社トレンドマイクロの調査によると、9月18日までの2週間で、ミャクミャクグッズの販売などを装った、にせサイトが344件確認されているという。
その手口として、『セール価格』などお得感を強調していますが、実際に申し込んでしまうとにせの粗悪品が届いたり、また商品が届かない、個人情報を盗む“フィッシング”の恐れもあるということで注意が必要だ。
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月1日放送)
