栃木県佐野市で2025年6月頃から、林道に畳や建築廃材が繰り返し不法投棄されていることが分かった。廃材は住宅の解体工事で出たものとみられ、専門家は処分費の高さが背景と指摘する。不法投棄があった場所が私有地のため公費による撤去は難しく、市は警察や関係機関と連携して対応を進めるとしている。
林道に畳が山積み…景観が悪化
緑豊かな自然に囲まれた栃木・佐野市に取材班が向かった。鳥のさえずりが聞こえる林道でカメラが捉えたのは、驚きの光景だ。

取材班:
赤いパイロンが置いてあります。大量の畳が落ちています。
不法投棄された大量の畳が、林道で幾重にも折り重なって捨てられていた。

さらにハムカツ、チーズ、スパムと書かれた板もあった。これは飲食店の壁に掲げられていたメニュー表だろうか。
さらに、約150m離れた別の場所にも不法投棄されていた。
取材班:
あっ、ありました。かなりの量が捨ててあります。大量の畳。何枚あるか数えきれないほどあります。

林道小室正雲寺線では、2025年6月頃から数回に渡ってごみが不法投棄され、畳は約580枚、建築材は約4tに及んでいるという。
のどかな林道は、至るところに不法投棄禁止の張り紙が張られ、物々しい雰囲気に包まれていた。別の林道でも畳や建築廃材が相次いで捨てられ、市内ではこれまでに13カ所で不法投棄が確認されているという。
取材班:
あちらにも大量の畳が捨てられています。道路からすぐ目につく場所になんとも大胆な捨て方をしています。
不法投棄があった林道は、サイクリングやバードウォッチングを楽しむ人が多く訪れるスポットだ。
「費用削減が大きな理由」処分費高騰が背景か
取材中にも、不法投棄されたごみの山のすぐ目の前で野鳥を観察している男性の姿があった。

野鳥を撮影する男性:
これ(ごみ)を見ながらは気持ちのいいものではない。こんなところまで来て捨てるんだな…。ひどいことをするな。
市の職員によると不法投棄された畳は、住宅の解体工事で出たものとみられている。

専門家は、畳の不法投棄が相次ぐ原因として、処分コストの高さがあるのではないかと指摘している。
アトム法律事務所・松井浩一郎弁護士:
(畳を)廃棄するにあたっては、コストが掛かることがある。単純なごみと違い、ものが大きい。回収してもらうには費用が掛かる。費用削減が大きな理由ではないか。
市は不法投棄があった場所が私有地のため、すぐに公費を使って撤去することができないといい、今後、警察や関係機関と連携し対応にあたるという。
(「イット!」9月15日放送より)