2025年度で閉校する長野市の中条中学校で8月30日、夏祭りが行われました。閉校まで残り少ない時間。卒業生や地域住民も訪れ思い出の学び舎での別れを惜しむとともに感謝の思いを伝えました。
8月30日、長野市中条で行われた「夏祭り」。屋台やステージも並びにぎやかです。会場は「中条中学校」です。
現在、全校生徒13人の学校。60年以上の歴史がありますが、生徒数の減少などを理由に2025年度末の閉校が決まっています。
最後の1年に心に残る思い出をつくろうと学校関係者や地域住民有志などが「夏祭り」を企画したのです。
閉校記念事業実行委員会・酒井悠紀さん:
「閉校は喜ばしいことじゃなくて、人が住んでいないから閉校になると思うが、せっかくならみんなで最後、どんちゃん騒ぎしながら、中条っていいところだなと少しでも感じてもらえるようなイベントを」
夏祭りの「昼の部」。校舎を卒業生や地域住民向けに開放しました。
教室には過去の卒業写真などが―。
卒業生:
「あ、いたいた」
「じゃあ、俺これか。懐かしい」
約60年前に卒業:
「校舎は新しくなっている。3階なんてなかった。1年の9月ごろにプールができた。それまでは土尻川で泳いでいた」
「近くに豆腐屋さんがあって、そこからおからをもらってきて、みんなで床をおからで磨き上げた。やっぱりさみしいよね」
約15年前に卒業:
「(教室の)中はほとんど変わってない。吹奏楽部に入って東海大会まで出場して村を挙げて応援してくれたことが一番の思い出。私のクラスも12人だったので、そのころから少ないなとは思うが、少ないからこそ温かさというか、他の学校には負けないんじゃないかな」
黒板には感謝のメッセージ―。
また、在校生と卒業生は「今後の校舎の利活用」についてグループディスカッションも行いました。
生徒:
「『おやき』とか『おぶっこ』だけじゃないものが食べられるところをつくる」
「ロープウエーを山からつないで降りてこられるように」
地域住民:
「すごく新鮮で本当にできるのかということもあるけど、夢は大きく持ちましょう」
中学3年生:
「いっぱい案が出せてよかった。(閉校後は)みんなの役に立つように使われてほしい」
午後5時過ぎ。本番の「夜の部」が始まりました。
飲食の屋台や射的などの15の出店がグラウンドいっぱいに並びました。
地域住民も訪れ一層、にぎやかに―。
女の子:
「楽しい。お面もくじで取った」
地域住民:
「久々ですね、こんなに人数集まってうれしいです」
♪伝統芸能:
「西山小唄」
ステージでは西山地域の伝統芸能「西山小唄」も披露され、集まった人たちが歌に合わせて踊りを楽しみました。
午後8時過ぎ。祭りもいよいよフィナーレです。
生徒からの要望だった「花火大会」。参加者全員が手持ち花火を楽しみました。
中条中学校・大内希生徒会長:
「たくさんの卒業生や地域の方に来ていただいてすごくにぎわってましたし、交流できるのがいいなと。中条のことを一日一日考えて、ずっと大切にしていければ」
閉校記念事業実行委員会・酒井悠紀さん:
「母校がなくなってしまうのは切ないことなんですが、最高の形で母校とお別れができるように頑張りたい」