7日、石破総理が辞任を表明した。
石破総理の辞任表明の前には、「解散」という選択についても注目されていた。
“石破おろし”が吹き荒れる中、首相が「“伝家の宝刀”を抜くのか」ということも注目されたが、会見では、「色々な考え方があったことは否定しない。何よりも国民に対して、政府の機能が停滞するということがあっては、決してならないということで、この判断(退陣)に至った」と述べた。
8日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」ではジャーナリストの岸田雪子さんがこの決断の背景を、また政治ジャーナリストの青山和弘さんが“ポスト石破”の行方について解説した。

■衆院解散『反対する閣僚を罷免し兼任して署名』必要
衆院解散に踏み切らなかったことについて、ジャーナリストの岸田雪子さんは、石破総理に近い筋に取材。
「衆院解散には閣議決定が必要だが、反対する閣僚を罷免して自分が兼任して署名する必要があるものの、石破総理は『自分にはできない』と考えた」と話した。
ジャーナリスト 岸田雪子さん:解散総選挙の話は、「仲間に対して首を切ってでも続投したいのか」という反発を呼んでしまうので、「なぜそこまでこだわるのか」、「どこまで本気だったのか」というあたりを昨晩(7日)、石破総理に近い筋何人かに、お聞きしました。
それによると、小泉さんや菅さんとお話し合いをする前に、石破さんの中ではかなり追い込まれていて、これは「解散無理だな」という心情にはなっていたということなんですね。なぜ「解散が無理だ」と思ったかというと、「最終的な閣議決定が無理だ」と、「自分にはできない」と思ったそうです。
なぜかというと、解散を決めるのであれば閣議でそれぞれの大臣の署名がいるわけです。応じない大臣は辞めてもらって自分が兼任するという形になります。

■全権を担ってやるぐらい覚悟があるかで言うと『そこまでできない』総理は考えたか
青木源太キャスター:強権を発動してやろうと思えばできるわけですね。
岸田雪子さん:全員を罷免して、全権を総理が一時的に担ってやる。そのぐらいの覚悟があるのかということで言うと、「自分はそこまではできない」と、石破総理としては考えを伝えられて、この筋の話がなくなったという話です。
逆に言えば、党内の反発というのが、ここまで広がっているんだということを、なかなか理解するのに時間がかかってしまった。
その辺りを小泉さんが説得し、話を聞く中で、ようやく日曜日に決心をされたということなんだろうと思います。ただ、そこまで解散を打って出るまで、やりたい政策が最後まで見えなかったということは大きいかと思います。

■次期自民党総裁は高市氏と小泉氏の2軸で進む
そして、政治ジャーナリストの青山和弘さんは“ポスト石破”について解説した。
(Q.石破さんの再出馬はあり得る?)
青山和弘さん:もちろん理論上はありえます。ただ、石破さんの年齢を考えるのと、ここまでギリギリまで粘って、結果的に引きずり降ろされるのに近い形で辞任を決断したことを考えると、極めて難しいと思うのが、正直なところです。
石破総理は「総裁選に出馬しない」と表明し、「後進に道を譲る」という発言をした。
8月末のFNN世論調査のアンケートで「次の自民党総裁にふさわしい人は?」という質問に対して、トップに立ったのが高市前経済安保相で23%、次いで小泉農水相が20.9%となった。
【FNN世論調査(8月23日、24日)】
次の自民党総裁にふさわしい人は?
・高市前経済安保相 23.0%
・小泉農水相 20.9%
・石破首相 14.4%
・河野前デジタル相 5.1%
・林官房長官 2.7%
・岸田前首相 2.3%
・小林前経済安保相 1.8%
・上川前外相 1.6%
・茂木前幹事長 1.2%
・加藤財務相 0.3%
青山和弘さん:前回の総裁選で2位につけて、党員票ではトップだった高市さんが有力であることは間違いなく言えると思います。一方で今回、石破さんに“鈴を付けた”ということもありますし、小泉さんは、前回の議員票でトップでした。さらに農水大臣として一定の評価を上げました。なので、この高市、小泉の2人を軸に進んでいくのは間違いないと言っていいと思います。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年9月8日放送)
