9月7日、急転直下の辞任表明となった石破茂首相(68)。
会見では、「やり遂げなければならないものがあるという思いもあるなか、苦渋の決断」と、本音を漏らす場面もありながら、これまで続投の意思を示しつつも、身を引く決断をした理由を以下のように述べました。

石破茂首相:
米国関税措置に関する交渉に一つの区切りがついた今こそが、そのしかるべきタイミングであると、このように考え、後進に道を譲る決断をいたしました。

「サン!シャイン」は、旧石破派の自民党・山下貴司副幹事長を取材。
石破首相が辞任を決断した決定打について聞いてみると、6日に行われた、菅義偉副総裁と小泉進次郎農水相との会談がカギだったのではないかと話します。

旧石破派 山下貴司副幹事長:
いろんな思いを持ちながら、自ら身を引かれるという。その思いというのは表情が穏やかだったからこそ、いろんな葛藤があったんだろうなと思いますね。
(二人と話した影響は)大きかったと思います。やっぱりね、今回の決断に背中を押すようなお話だったんだと思いますよ。
長い時間、小泉大臣とお話になっていましたよね。いろんなことを、話されたんだと思いますね。会見でも少し出ていましたけど、“後進に譲りたい”という思いというのは、募ったんだと思います。

次の総裁選について、石破茂首相は出馬しない意向を示しています。
なぜこのタイミング?辞任を説得したのは小泉氏?
今回のタイミングになった理由として、「日米の関税交渉に一区切りがついたから」と話していた石破首相。これについて、フジテレビの高田圭太政治部長は…。

高田圭太政治部長:
一つの区切りではあると言えると思うのですが、この先もアフターフォローというのはずっと細かいところが必要ですから、そこをやりたかったし、それが石破さんの続投の原動力・要因にはなっていたので、そこの未練というのは、「心残り」という言葉に端的に表れています。

――交渉がまとまった7月ではだめだったのか?
これは正直、このタイミングでやめざるを得なくなったことに付いてきた理由というふうな見方もできると思います。
9月6日に菅副総裁と小泉進次郎農水相と会談を行っていた石破首相。30分ほど3者で話し合いを行った後、石破首相と小泉氏だけで1時間半の会談を行いました。

また、ジャーナリストの岩田明子氏によると、小泉氏は自身の説得で石破首相が辞任に傾くのではないかという手応えを感じていたといいます。
――小泉氏の存在感は自民党内でも高まっている?
高田圭太政治部長:
なかでも、石破茂首相にとって小泉さんというのは一度支持率を上げてくれた功労者ですし、そもそも前回の総裁選の決選投票で、高市さんを逆転できたのは、小泉さん、そして小泉さんを支持していた菅さんが石破さんに入れてくれたから総理・総裁になれたわけで、この二人からの説得というのは、やはり石破さんにとっては特別なものだし、小泉さんはこの説得で辞任に道筋をつけたということで、党内からも「よくやってくれた」という声が出ています。
カズレーザー氏「解党的出直しとは逆行しているように思える」
「サン!シャイン」のキャスター、ゲスト陣は、今回の発表をどのように受け止めたのでしょうか。

スペシャルキャスター カズレーザー氏:
辞めなそうだなという空気感があった中で、こういうことになったので。まぁでも自分の中のタイミングをここで見計らったのかなとも。まずは、約1年にわたる大役を務められたことをねぎらいたいなと思います。お疲れさまでしたと。
自民党の分裂を防ぐのが一番の理由だとおっしゃっていた、そういうふうに捉えたんですけども、分裂・分断というのは実際あって、それを「総裁選前倒し」という形で白日の下にさらされるのは避けるという、最低限のガワを守ったということだと思うのですが、これは、「解党的出直し」というのとは逆行しているようにも思える。
これをネガティブに捉えている人は多い、既存の権力、“昔の自民党”というものを結局守る形になっているのではないかなと。

スペシャルキャスター カズレーザー氏:
改革はやはり進めてほしい、新しい自民党に生まれ変わる、政権与党なので変わってほしいという声はあると思うのですが、辞めてしまった以上は、辞めた人が影響力を行使するというのは、昔の自民党の形じゃないですか。それができなくなってしまうというジレンマもあるかなと。
谷原章介キャスター:
長老政治みたいなものに、国民が辟易している面もあると思うし。こうやって総理が変わったから「解党的出直し」でまた刷新されたから自民党の支持率が上がる。これはずっと何十年も繰り返されていることですよね。
フリーアナウンサー 武内陶子氏:
みんな「国民に早く目を向けてほしい」と思っていると思います。
谷原章介キャスター:
(国民としては)実行力のある政策を前に進めてほしい、極端なことをいうと、自民党の中の話ですから。国政ではないんですから。
(「サン!シャイン」2025年9月8日放送)