去年、京都市内の小学校に通う児童が同級生からいじめを受け、難聴となった問題。

関西テレビの取材で、同じ学校に通う別の児童も同時期に「いじめを受けた」と訴えていることがわかりました。

学校の対応に問題はなかったのでしょうか。

■「もう学校は安全じゃない。また次行ったら何かされる。守ってもらえない」

関西テレビの取材に答えたのは、京都市内の小学校に通っていた小学5年の男子児童、Aくんの母親です。

母親によると、Aくんは去年11月ごろから同級生から暴言を吐かれたり、殴られたりし、その後、適応障害を発症し不登校になりました。

【Aくんの母親】「頭部を殴られたり、頬をなぐられたり、ときには頬にあざができることもあった。担任の先生が、暴力行為があったときに、息子いわく、見て見ぬふりをした」

【Aくんの母親】「もう学校は安全じゃない。また次行ったら何かされる。守ってもらえない」

A君の母親は学校の対応に憤りを募らせています。

■Aくんと同じクラスだった児童にいじめの「重大事態」 市が認定

というのも、この学校ではAくんとは別の児童への「いじめ事案」がすでに起きていたのです。

【いじめを受けたBくん(6月取材)】「廊下を歩いていた時に、後ろから首をしめらて、右耳付近を3発殴られました」

Aくんと同じクラスだったBくんは去年11月、同級生から殴られるなどし「外傷性の感音難聴」と診断され、その後、不登校が続き、転校を余儀なくされ市はいじめの「重大事態」と認定しています。

【いじめを受けたBくん(6月取材)】「自分に寄り添ってくれて、転校という選択肢にたどりつかない対応をしてほしかったです」

■進級時に同級生とは別のクラスにするよう学校に訴えるも…同じクラスに

去年11月、Bくんが同級生から殴られたとされるおよそ1週間後に、Aくんは「同級生に殴られた」と母親に相談。

母親は、5年生ではその同級生と別のクラスにするよう学校側に求めていました。

その後、ことし3月にはBくんの事案が「いじめ重大事態」に認定されているため、いじめ対応への危機意識はあったはずでしたが、ことし4月、Aくんはその同級生と同じクラスに。

そして、同級生から暴力を受け、首を捻挫するなどのケガをし、転校をせざるを得なくなったというのです。

【Aくんの母親】「新学期、5年生なって、初めて行って帰ってきた息子が『お母さん先生と約束してくれたんやな。クラス一緒になってた。どうしたらいいかわからん』っていうので、どこに相談しても、結局変わらない。保身しか考えていないのかな」

■いじめが同時期に起きていたことについて保護者から怒りの声

学校側の対応は適切だったのか。Aくんの転校を受け、きのう=4日に学校が開いた緊急の保護者会では、質問が相次ぎました。

<保護者提供・保護者会の音声より>
【保護者】「先生が見てる前で(暴力行為が)起こったということ?」
【校長】「複数の教師がいた中で…」
【保護者】「クラスの中で起こって、その教師がいる前で起こったことを気づけない?」
【校長】「教室の中にはいたんですけども、少し距離があったりとか…」

【校長】「(Aくんの母から)不安なことを去年から聞いており、新体制とかを築いたのに、裏切る形となってしまった経緯です」

そして、2つの“いじめの事案”が同時期に起きていたことについては…

【保護者】「立てつづけに同じ内容で2件もあった。どのように思っていますか?」
【校長】「いじめが続いていること、先ほど申しましたように、一番の課題は、我々教職員の意識の低さやったと思っています」

いじめへの意識の低さが今回の問題を引き起こしたと認めた学校。

関西テレビの取材に対し、学校側は「一切コメントできません」としています。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年9月5日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。