人が殺到するイベントでの雑踏事故などを防ぐため、警備にあたる警察官が小型のカメラを身に着ける取り組みが始まりました。
広島県警の警備課に配備されたのは、頭と胸元に装着する「ウェアラブルカメラ」です。
3年前韓国・ソウルの繁華街「梨泰院」のハロウィーンイベントで、集まっていた人が倒れ150人以上が死亡しました。
カメラの装着はこうした雑踏事故を未然に防ぐための取り組みです。
今後、イベント会場などで警備にあたる警察官が装着し、その映像は離れた場所にいる指揮官にリアルタイムで送られます。
映像から、事故に発展しそうな人の流れが確認された際、適切な警備の指示を素早く出せることが期待されています。
カメラの装着は警察庁が「モデル事業」として行うもので1年後に効果を検証し全国的な導入を検討するとしています。
<スタジオ>
ここからは取材にあたった辰已キャスターです。
【辰已キャスター】
今回のウェアラブルカメラの装着は、警察庁のテストとして行われるものです。
早田さん 年々高まっている映像で残す重要性についてどう感じていますか?
【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
「テクノロジーも発展して、かなり重要ですね」
そして、広島県警で実施されるウェアラブルカメラの装着は「事故の未然防止」がおもな目的です。
イベント会場などで人の流れを撮影し、リアルタイムで映像を見ている指揮官が危険を察知すれば、現場の警察官にすぐに適切な指示ができる事が期待されています。
ー 事故の未然防止以外での活用については・・・
【辰已キャスター】
今回広島も含めて全国13都道府県でテストが行われますが、ほかの県警エリアでは、職務質問や交通の取り締まりの目的で行われるところもあります。
テストの狙いは職務質問などで苦情が出たり、その様子を撮影してSNSで拡散されるケースもあるため、対応が適切だったか検証するためというのが一つ。
そして、事件事故が目の前で起きた時、「証拠」として活用するためという目的もあります。
事故防止からSNS対策など今後いろんな活用が期待されそうですが、早田さんいかがでしょうか?
【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
「透明性を高めるとともに、映像をデータ化していくことが重要だと思います」
今回のテストは1年間行われ、警察庁は実施後に効果を検証し、全国での導入を検討するということです。