鈴木馨祐法相は5日、首相官邸で石破茂首相と会談し、8日に提出を受け付ける自民党総裁選の前倒しを求める書面に署名する考えを伝えた。石破内閣の現役閣僚による前倒し要求が明らかになったのは初めて。
鈴木法相はその後、自身のブログで「自民党の臨時総裁選挙の実施、いわゆる総裁選前倒しに関し、来週月曜日9月8日に態度表明を自民党所属の衆議院議員として求められていますが、その場合には、私は党則に基づく臨時総裁選挙の実施を求める書面に署名し提出することといたしました」と表明した。
鈴木法相は判断の背景について「先の参議院選挙において、与党が大敗し、衆議院、参議院の両院で過半数を割ることとなりました。様々な課題が山積する中、政治が停滞することは許されません。自民党への信頼回復のためにも党が一致結束してゼロから出直すことが必要です。また、両院で過半数に満たない状況で与党として政策を前に進めることは現実的に極めて困難です。党として連立の枠組みをどうしていくのか、あるいは国民から信任されなかったことを真摯に受け止め下野し野党として出直すのか、こうしたことを真摯に議論する必要があります」と説明。
その上で「こうしたことを踏まえれば、今の状況にあっては、総裁選挙を前倒しし、党員の方々にも広く参加いただく総裁選を実施することが最善と判断しました。ご理解いただけますようお願いいたします」と綴った。
鈴木法相はすでに前倒しの要求を表明した麻生太郎最高顧問が会長を務める麻生派に所属している。