敦賀に秋の訪れを告げる「敦賀まつり」。最終日の4日は呼び物の山車巡行が行われ、まつりムードが最高潮となりました。室町時代から約450年の歴史があるとされる敦賀まつりの山車ですが、戦争によりその歴史が途絶えた時期がありました。
◆室町末期から450年続く山車巡行の歴史
<中継:福山千奈アナウンサー>
敦賀市にある氣比神宮の例大祭に合わせて毎年行われている敦賀まつり。まつり会場からほど近い場所にある「みなとつるが山車会館」に来ています。
きょうは正午過ぎに6基の山車が気比神宮の前に集結したあと、地元の人や小中学生らが市内を練り歩きました。晴れれば、巡行を終えた山車はまつり会場に展示されますが、きょうは雨のため保管場所である会館に戻ってきました。
山車には、敦賀にちなんだ戦国時代の合戦を思わせるように能面や甲冑をまとった人形が飾り付けられています。その歴史は室町時代末期から約450年とされていて、現在ある6基のうち3基の大部分が江戸時代から受け継がれています。
敦賀まつりの山車巡行は、敦賀湊の町衆文化を伝える行事として、8月に敦賀市の無形民俗文化財に指定されました。
◆敦賀空襲で山車が焼失
今年は昭和100年にあたりますが、実は山車巡行が長く途絶えた期間があります。それは、戦争です。
終戦間近の1945年(昭和20年)7月、敦賀は激しい空襲に見舞われました。市街地の8割が焼失。敦賀まつりの山車も被災し、戦前からあった12基のうち無事に残ったのは3基だけでした。
終戦から5年後に初めて、ようやく1基が巡行しましたが、残った3基がそろったのは 終戦から37年後の1982年(昭和57年)でした。
さらに現在と同じ6基となったのは、いまから30年ほど前の1994年(平成6年)のことです。
◆戦争で残った部材で山車を復活
<中継:福山千奈アナウンサー>
つるがの山車保存会・堂田英治会長に話を聞きます。
堂田会長:
「戦後戦争で3基しか残らなかったのですが、市民の強い要望もあり、何とかもっと増やせないかということで、戦争で残った部材や車輪を提供してもらって復元し、やっと6基になりました」
Q.今後はどのように受け継いでいきたい―
堂田会長:敦賀市の無形民俗文化財に指定されたということで、子供たちにも誇りや愛着を持って、敦賀の宝として残していきたいと思っています。次の世代に受け継いでいくことが我々の役目だと思っています。