コロナ禍で閉院…受診控えで追い込まれる中核病院 インフルとの同時流行の懸念も
感染拡大… 新型コロナウイルス

コロナ禍で閉院…受診控えで追い込まれる中核病院 インフルとの同時流行の懸念も

テレビ西日本
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  • 感染対策をしてても…根強い受診控えが続く
  • 閉院したクリニックの医師の苦悩
  • 発熱外来ではインフルエンザの同時流行も懸念

新型コロナの影響で患者が激減し、経営危機に陥っていたクリニックや病院。
2020年6月の取材から3カ月以上が経過し、どうなったのか。
そこから見えてきたのは「閉院ドミノ」とも言える深刻な実態だった。

訪ねたのは福岡県飯塚市にある、ひじい小児科。

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前回取材した際には、患者の数が例年の5割程度にまで落ち込んでいた。

(関連記事:コロナ禍で7割の病院が「赤字経営」に!患者数激減…“6月危機”で閉院・医療崩壊の可能性も

院内で新型コロナに感染するかもしれないとの懸念から通院を避ける「受診控え」が顕著だった。

ーー現在の患者数は?

ひじい小児科クリニック・肘井孝之院長:
70%から多く見積もって80%。戻っては来てるけど例年通りということはないと思う。一定数の人はもう来なくなっている。やっぱりリスクの高い場所だという先入観があるんだろう

この小児科では発熱などがある場合は受付を分けるなどできる限りの感染対策を行っているが、いまだ根強い受診控えが続いている。
乳幼児健診の受診率も低く、院長は気をもんでいた。

ひじい小児科クリニック・肘井孝之院長:
本来、例えば飯塚市で、1歳半で来ないといけない人間が8月に100人いたとしたら50人くらいしか来ていない。健診ですら来ない。早い時期に色んな異常を見つけるのが健診の目的だが、それが達成できていないかもしれない

実は「過度」な受診控えが原因で既に深刻な影響が出ていた。

県内の開業医を対象にした緊急アンケートに切々と記されていたのは「重症化」した事例の数。

アンケート
・「腎不全が悪化し緊急搬送されました」
・「年末に気になっていて年が明けたら受診を考えていた方がコロナで受診できず6月に受診。進行乳がんの状態でした」
・「内服薬が切れ自己中止。来院せず自宅で死亡」

過度に受診を控えることによって持病が悪化したケースが次々に確認された。

福岡県保険医協会・大脇為常副会長:
大きな危惧を感じている。患者さんがコロナのせいで受診を手控えする。薬やワクチンができて、徐々にそのことが解消されていくが、その時に亡くなっていたということでは困る

さらに受診控えによる患者数の減少は医療機関の経営に致命的なダメージを与えていた。

実際に閉院したクリニックの医師が語る

9月4日、福岡市内にあるビルのワンフロアで搬出作業が行われていた。
高額な精密機器に注射器と記された棚。ここはクリニックだった。

閉院したクリニック・永田眞人医師:
エコーだけある。これも持って行くが精密機器なので自分で持って行こうかと

閉院したクリニック・永田眞人医師:
結局、毎月の赤字幅がどんどん増えた。残念ながら経営上「閉院」しますと

2009年に開院したこのクリニック。
外科や内科など患者の相談に幅広く応じ診察してきた。
だが、都心ゆえの高い賃料が負担となるなか、新型コロナの感染リスクを恐れた受診控えで収入が約3割まで激減。閉院を余儀なくされたのだ。

閉院したクリニック・永田眞人医師:
10年間、いいスタッフに恵まれた。1人ではできないので(その方たちをやむなく解雇した)それは辛かった。今回、僕が決断するまでの2、3カ月前に入職した方もいた

苦渋の決断だった新型コロナによる閉院。
決してこのクリニックが特別な訳ではない。

閉院したクリニック・永田眞人医師:
いま医療は、利益は出てない、どこも。元々潤沢じゃない所に今回のコロナ禍で、皆さん大変でしょうし、北九州の友人で閉じた先生もいる

熱が出るインフルエンザ…同時流行を懸念

厳しい経営状況に直面しているのは地域医療の中核を担う病院も同じ。
大牟田市のこの病院では受診控えのため今も外来患者が少なく、損失の見通しは年間約1億円に上る。

米の山病院・崎山博司院長:
補助金に関しては手続きが非常に複雑で、支給決定まで時間がかかり、8千万円分申請しているが、まだ1円も下りていない

3月に設置したという「発熱外来」。必要に応じてPCR検査や抗原検査を行っているが、今後、懸念されるのはインフルエンザとの「同時流行」。
発熱した患者が殺到する可能性もあり、医師や看護師の負担の増加は免れない。

米の山病院・崎山博司院長:
みんながコロナかもしれないと想定しながら対応しないといけないから、すごく1人ひとりに対して手間がかかるのが危惧。体制が追い付かないと思う

さらに、その患者の対応に欠かせない防護具が実は十分でないという。

看護師:
このプラスチックエプロンですね。これが値上がりしたり、なかなか今までみたいにスムーズには入ってきていない状況。月に最低でも600枚程度は使います。(たくさんあるように見えて)すぐになくなります

このほか、11月からは医療用手袋が世界的な需要の高まりを受け、6倍に値上げされるという。

米の山病院・崎山博司院長:
足りないが、買おうにも買えない状況。感染対策をしっかりできるような状況じゃないと安心して職員が働けない。そういった病院だと患者さんも安心してかかれないと思うので

新型コロナウイルスとインフルエンザで懸念される医療機関の混乱。

最低限、安全対策を万全にできるよう支援などを急がなければ患者の受診控えに拍車がかかり、病院からますます足が遠のく事態になりかねない。

(テレビ西日本)

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