今月1日から坂の町八尾で始まった「おわら風の盆」。
デジタルの力などを使い、国内外からの観光客におわらの魅力を伝え、楽しんでもらおうという取り組みが行われています。
坂の町に哀愁を帯びた胡弓や三味線の音色が響き、浴衣や法被姿の踊り手が優美な踊りを披露するおわら風の盆。
今年は、富山市がニューヨークタイムズで「今年行くべき52の都市」に選ばれたこともあり欧米人の観光客も多く見られます。
そんな国内外の観光客にも分かりやすくリアルタイムで踊っている場所を知らせるサービスが今年、導入されました。
*観光客
「踊っている場所が見たいです。あっ、今踊ってる。青いところが演奏中とか踊っているとこ。今、青いところに行ったら演奏中ってこと、そこに向かえばいいんだ。助かります」
このサービスを提供するのは会員制コミュニティスペース「面白ベース」会員の富山大学の学生とその運営会社などで作る「OMOWARA」です。
去年からおわら行事運営委員会と連携しながら公式LINEやWEBサイトを立ち上げ、準備を進めてきました。
*OMOWARA 丸山修平代表
「より便利に楽しむことができて、おわらに関わる人たちに収益が還元されるような仕組みになると、次世代への投資にもつながりますし、今回見どころ情報も載せているので、スマホで見てもらいながら町を楽しんでもらえたらなと思います。」
1日、おわら風の盆をより楽しむ実証実験を兼ねたプロジェクトが始まりました。
*掛け声
「友達登録というのがめちゃめちゃこれからのカギになると僕は踏んで今回設計してます。きょうは頑張ってきましょう。お願いします。」
サイトにつなげるため、公式のパンフレットなどにQRコードが印刷されたほか、駅やバスの利用者などにビラを配り、紹介しました。
公式LINEでは会場内のトイレや休憩所、自販機などの位置が分かる便利情報マップに加え、有料でリアルタイムで踊っている場所が分かるマップやおわらの魅力を記事や動画で見ることができます。
踊っている場所が分かる機能はどうなっているかというと。
各町の総代に携帯端末を配布し、始める前に手動でボタンを押してもらう仕組みです。
そうすると、マップ上に青のポイントが付き、観光客に知らせることができます。
この機能を使った観光客は。
*愛知からの観光客
「若い子たちが頑張って、お姉さんたちを見てやっているところを見てなんか感激しました。ツアーで来ているので集合時間があるんで、もうどこにも会えないかしらと思って、頑張ってラッキーだった。この後また探して行くつもり」
*神奈川からの観光客
「すばらしい、これはずっと残してほしい、(公式LINEを入れていたら)もっといろいろ見られたかもしれないので、もっと早く知られたらよかったです。」
*今町 北野正浩総代
「いつもどこでやっているのとか聞かれるので、見る機会が増えるというのはいいことかなと思っています」
もう一つ丸山さんたちが力を入れたのがインバウンド客向けの英語のWEBサイト。
公式LINEの登録者は3458人。
目標にしていた1万3000人にはまだ届いていませんが、一定の効果はあったようです。
*丸山さん
「どこで踊っているかっていうのを欲しい人が結構多く、それを提供できたのはすごく意義があったなと思っています。マップの存在ウエブサイトの存在を認知している人があまりいないのがまだ課題かなと思っているので、また八尾の皆さんと意見交換しながら、こんなのどうですかって話をしたうえで来年さらに面白いことをやっていきたいと思っています。」
リアルタイムで踊っている場所を知らせるおわら風の盆のマップサービス。
どこで踊っているか分かりやすく観光客に伝えることで有名な町に集中しがちな観光客を分散させひいては、観光の満足度を上げることにつなげたいとしています。
丸山さんは今回の実証実験の結果を検証し、使う人のスキルに関わらず簡単にみられるように改良を加えたいと話していました。
また、OMOWARAでは公式LINEだけでなく、若者向けにおわらをイメージしたインスタ映えスポットやオリジナルのお香も開発し、観光客に新たなおわらの魅力も提供しています。