北海道・釧路湿原周辺のメガソーラー建設をめぐる問題で、9月1日、環境省の担当者が釧路市役所を訪れ、鶴間市長らと意見交換しました。
釧路市北斗にある釧路湿原の周辺地域では、大阪市の事業者がソーラーパネル約6600枚を設置する工事を行なっています。
釧路市教委は事業者の工事現場付近に生息する国の特別天然記念物のタンチョウやオジロワシなどへの影響調査が不十分だと指摘。
再調整を求めるほか、事業者に「タンチョウなどへの影響が軽微でない場合に罰則が科される可能性や現状回復を求めることができる」などとした文化庁の見解を文書で提出しました。
釧路市によりますと8月29日時点で事業者からの回答はないということです。
1日、環境省の担当者ら職員が釧路市を訪れ、鶴間市長から釧路市が検討中のソーラーパネル建設を規制するための条例案や今後についての話を聞きました。
また、市は釧路湿原国立公園の拡張や地球温暖化対策の推進に関する法改正の検討なども環境省に要望したということです。
環境省自然環境局の川越久史野生生物課長は市役所での意見交換前に釧路市北斗のメガソーラー予定地を訪れたことに触れつつ「ソーラーパネルが景観を一部むしばむように出てきて野生生物の生息にとっても影響を与えている場所があるのではと地域の方も懸念している。釧路湿原全体としてどういった保全をしていくのか、我々としてもしっかりやらせていただきたいと市長に伝えた」と話しました。