違法な建築物などが問題となっている民間の動物園「ノースサファリサッポロ」が動物の「一時預かり」を本州の動物園に相談していたことが新たに分かった。

「一時預かり」とはどういう意味なのか。

ノースサファリに閉園を惜しむ声

先週末のノースサファリ。

「見て、触れて、癒やされる!体験型テーマパーク」というキャッチコピー通り、フクロウやハナグマなどに餌やりをする来園者の姿が見られた。

またピラニアなどの危険動物に近づけるアクティビティを多くの人が体験していた。

ピラニアに近づけるアクティビティ(撮影:視聴者)
ピラニアに近づけるアクティビティ(撮影:視聴者)
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以前はなかったものが園内に設置されていた。

寄せ書きだ。

「20年ありがとう」

「エサやり体験、すごく楽しかったです」

「なくならないでほしい」

来園者から閉園を惜しむ声が寄せられていた。

園内に設置された寄せ書き(撮影:視聴者)
園内に設置された寄せ書き(撮影:視聴者)

「(閉園は)ちょっとショックだった」(来園した小学生)

「ウサギ引き取りたいって言ってたんだよね」(小学生の母親)

「ウサギ、かわいかった」(来園した小学生)

「(閉園は)寂しいですね。(動物と)近い距離で触れ合える(動物園は)あまりないと思うので。他の動物園とかで引き取ってもらって(動物たちが)暮らせていけたら良いのかな」(いずれも来園者)

ノースサファリは9月末で閉園する。

札幌市の許可を得ずに建てられた違法な建築物156棟は2029年12月までにすべて撤去されることになっている。

ノースサファリ内のモルモット(撮影:視聴者)
ノースサファリ内のモルモット(撮影:視聴者)

移転先決まらない動物たち

一方、「動物の移転」は8月3日現在、合わせて325匹が園内に残されている。

2025年春の時点と比べて100匹ほど減った計算で、市に提出した計画書より半年早いペースで移転が進んでいた。

しかし、大型動物のトラやライオンなどは移転先がまだ決まっていない。

受け入れ先が決まらない中、5月にライオンの「バンナ」、8月には「ラナ」が死んだことが発表された。

いずれも1歳のきょうだいで、ともに脳の先天性疾患だった。

動物移転計画書
動物移転計画書

「動物は一時預かりで、約1年後に返してもらいたい」(ノースサファリ関係者)

UHBの取材でノースサファリが7月、バクやカピバラ、インコなどの「一時預かり」を本州の動物園に相談していたことが新たに分かった。

「一時預かり」の期間は1年間。

本州の動物園の関係者は「ノースサファリは1年後に新しい動物施設をつくりたそうだった。市街化調整区域ではない場所を取得して―そんな感じなのではないか」と話していた。

ノースサファリ側は「検討中」だとしている。

ノースサファリの外観(撮影:視聴者)
ノースサファリの外観(撮影:視聴者)

行政への疑念も

周辺では別の動きも。

「国道230号線を走っていると見えてくるのがこちらの骨組みです。ノースサファリサッポロの新しい看板になるということです」(水上孝一郎記者)

ノースサファリの運営会社「サクセス観光」に札幌市が看板の設置許可を新たに出していたのだ。

「屋外広告物としての許可は出さざるを得ない状況だ」(秋元克広 札幌市長)

札幌市は「新たな看板設置は条例の基準に適合している」と判断していた。

そもそもこの問題の背景には札幌市の縦割り行政があった。

ノースサファリに違法建築物があることが市の関連部局に共有されていなかったのだ。

ノースサファリの新たな看板
ノースサファリの新たな看板

ノースサファリの来園者の中にも首をかしげる人がいた。

「行政の怠慢な部分もあるんじゃないかな。担当者自身が異動になったら『次の人がやればいいや』とそういう気持ちが正直あったのではないかと感じますね」(来園者)

閉園まであと1か月。

施設や行政の対応に動物たちが振り回されている。

振り回される動物たち(撮影:視聴者)
振り回される動物たち(撮影:視聴者)
北海道文化放送
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