九州防衛局は2025年度末に陸上自衛隊・健軍駐屯地に長射程ミサイルを先行配備することについて、8月29日に木村知事などに直接説明した。木村知事は「不安を感じる県民がいる」と述べ、地域住民への丁寧な説明を求めた。
12式地対艦誘導弾 能力向上型を先行配備
台湾有事などに備える離島防衛の主力として政府が配備計画を進めている『12式地対艦誘導弾 能力向上型』は、いわゆるスタンド・オフ・ミサイルと呼ばれるもので、ミサイルの迎撃にとどまらず、敵の射程圏外からも艦艇や基地を打撃できる能力を持つ。

防衛省はこの長射程ミサイルについて、すでに12式地対艦誘導弾の運用・整備能力を持つ部隊がある健軍駐屯地に先行配備することを、8月29日に熊本県に説明した。九州防衛局の伊藤和巳局長は「一般論として長射程ミサイルは必要な場所に移動して任務に当たるため、配置先で運用するわけではない。駐屯地周辺の住民負担が、目に見えて大きくなるものではないと考えている」と理解を求めた。

これに対し木村知事は「熊本県が国防の重要な拠点であることは地元の知事として認識しているが、不安を感じている県民がいることも確か」として、地域住民に対してきめ細かな情報提供や丁寧な説明する姿勢を求めた。
「丁寧な説明や情報提供を行う」
また、木村知事は報道陣に対して「国防は国の専管事項なので私自身がその是非を述べる立場にない。賛成でもなければ反対でもない。住民の方が〈しっかり説明をしてもらっている〉と感じられるような対応を願いしたい」と述べた。

その後、熊本市の大西市長にも配備計画を説明した伊藤局長は報道陣の取材に対し、「住民への丁寧な説明や情報提供をこれからしっかり行っていき、県や市と連携しながら適切に対応していきたい」と述べた。
(テレビ熊本)