松山市北条を媛さんぽ どんな出会いが待っているかな
松山市北条地区の大浦にある風早長浜海岸は、道の駅「風早の郷風和里」の向かい側に位置する人気の海水浴場。
夏休み中は巨大ウォーターアスレチックも登場し、子どもたちで賑わっている。

風早長浜海岸で出会った「としちゃん」
そこで出会ったのは、日焼けが似合う73歳の北岡としおさん。
愛称「としちゃん」の彼は、ほぼ毎日この海水浴場で過ごしている。散歩やランニング、海辺にパラソルを立ててのんびり過ごすことが健康法だとか。

日焼けした体を見せながら笑顔で話す北岡さん
「防波堤までランニングしたり。足だけで1週間、こっから上が10日ぐらいで仕上がった」と、日焼けした体を見せながら笑顔で話す北岡さん。
へその穴を広げて「ピュー、ドー」と花火大会を表現してくれる姿に、思わず大笑い。ごきげんな夏満喫中のとしちゃんだった。

100年の歴史を持つ「民泊むろや」
風早長浜海岸から旧北条市内へ。
北条辻にある「民泊むろや」は、大正15年創業の老舗旅館。もともと「室屋旅館」として、旅行者や薬屋の行商、工事関係者などが中長期滞在する、当時のビジネスホテルのような場所として利用されていた。
宿の女将・室岡ヤス子さんの娘・知子Woodheadさん一家は、イギリス・ロンドン在住だが、夏休みは毎年北条に帰省し、キッチンカーや宿の仕事を手伝っている。
知子さんの長男・ショーンさんと次男・ダニエルさんは、ロンドンからの夏休みを利用してお手伝い。「ロンドンと比べたら暑すぎる。慣れるのがすごく難しい」と言いながらも、日本の夏を満喫している様子。

かき氷はお気に入りの台湾風
今年からキッチンカーでかき氷や野菜も販売。親戚が作った新鮮な野菜や、台湾風のふわふわかき氷が人気だ。
マンゴーかき氷を注文すると、おもむろにおみくじが…「やった!2等です!」
ショーンさん:
「2等にはしらたまが3個つきます」
中山明音アナウンサー:
「すごい、ごろっと果肉もたっぷり。いただきます。とろける甘さ。行き帰った…」
知子Woodheadさん:
「私たち台湾好きなので、台湾かき氷を食べに行ったときにいろんな種類の面白フレーバーがあった。そういうのいいね~って言って、台湾かき氷みたいなのしたいねって思いつきました。なので氷だけでも台湾風のちょっとふわふわアイスなんですよね」

民泊として再スタートを切った
「実はうちは元が旅館でして、廃業を24年前にしまして、ずっとそのままにしておいたんですが、去年から民泊として再スタートを切ることになりました」と知子さん。
知子さんの母 民泊むろや女将 室岡ヤス子さん:
「ご案内しますけど“100年の建物”です」
中山アナウンサー
「純和風という感じ。すごい!広い!」
室岡ヤス子さん:
「残してほしいってあの子たちが言いますから」
「壊すのはちょっと嫌だった」と語るショーンさん。「こういうところとか日本でも少なくなってると思うから」と、100年の歴史ある建物を守りたいという思いを語ってくれた。
1日1組限定、最大8人まで宿泊可能で、現在は8割がインバウンド客。古民家の雰囲気を好むリピーターも増えている。

北条駅前の「大人のカリー工房 CURCOVA」
続いて訪れたのは、北条駅前にある「大人のカリー工房 CURCOVA」。
CUR(カレー)CO(コーヒー)VA(バイタリティー・元気)という名前の通り、「食べて元気になる」をコンセプトにしている。
お店の小林昇さんは「地元の北条の玉ねぎを使って何かやろうというところから始まりました。知人の畑で採れた玉ねぎを生でサラダで食べた時に、すごく美味しいなって感動したんです」と話す。

北条に生かされてここまで生きてきたっていう感じ
2011年からスタートしたこのお店では、地元産の食材を積極的に取り入れ、食で地域を盛り上げようとしている。
カレーは欧風とインド風の中間のようなルウで、独自のレシピ。一番人気の「全部乗せ」(税込み1,350円)は、チーズ、ハンバーグ、目玉焼きがすべてトッピングされた豪華な一品。
ルウは通常4日目から8日目ぐらいの間で提供し、長いときは10日を超えることもある。チャツネやピクルスには北条産の柑橘や野菜を使用し、ドレッシングも自家製と、手作り・地産地消にこだわっている。
「異国感がある感じなのに、実はめちゃくちゃ地元愛が詰まってる。本当に北条に生かされてここまで生きてきたっていう感じ」と小林さん。

次の媛さんぽは?
松山市北条には、人々の温かい思いと地元愛に溢れた場所がたくさんあった。
次の媛さんぽではどんな街でどんな人たちと出会えるだろうか。
