福島駅周辺に長年集まるムクドリの騒音やフン被害に、住民は頭を悩ませている。5年前に大規模な「追い払い大作戦」を実施したが、再び戻ってきたムクドリたち。一気に追い払いたい市の本音と、そうできない理由とは。地域と鳥の共存をめぐる福島市の悪戦苦闘が続いている。
■長年続くムクドリとの戦い
「1カ月くらい前にフンが制服に落ちました」「大群で飛んでいるなと思って。音よりもフンを落とされないかが怖い。歩くとき上を気にしてしまう」と福島市の人たちが気にしているのは、長年福島駅の周辺に集まり、鳴き声による騒音やフンによる被害をもたらしてきたムクドリ。
2020年には専門家を招き、大規模な「追い払い大作戦」を敢行。一度追い払いに成功したと思われたが、1年後には再びムクドリが…。
その後も、街路樹の剪定など対策を行ってきたが…木の下を見るとムクドリのフンや羽毛が複数確認できる状態だ。

■追い払いできない”悩ましい理由”
駅前から一気に追い払いをしたいところだが、そうできない悩ましい理由があるという。
福島市環境部環境衛生課の亀岡利広さんは「大規模に追い払いをすると、果樹農家などの果物がムクドリの餌として狙われやすい」と話す。
現在は福島市の職員が週に2日、ムクドリが嫌がる音や光での追い払いを実行。福島市の職員以外に、近隣施設のスタッフが追い払いに協力し、少しずつねぐらを分散化することを目指している。

■地道な取り組みに光明も
こうした成果もあるのか8月26日の駅前は、ムクドリの姿はこれまでと比べると極わずかだった。
福島市環境部環境衛生課の亀岡利広さんは「毎週2回、さらには地域の企業にご協力をいただいて、追い払いをしている成果が少しずつ西口東口に出てきているのではないか」と語る。
2024年は12月半ばまで駅前に居座っていたというムクドリ。周辺への影響など新たな課題もあるなか、福島市の悪戦苦闘が続く。
