コメの価格はどうなっていくのだろうか。
北海道でも新米の刈り入れが始まり、早くも店頭に並んでいる。
記録的な猛暑や随意契約の備蓄米の販売延長など、新米の価格に影響はあるのだろうか?
北海道空知地方では2024年より早く新米の収穫がスタート
北海道空知地方の芦別市では、新米の収穫が始まっている。
稲作農家の中村寛郎さん。
16ヘクタールの水田でブランド米の「えみまる」と「ゆめぴりか」を生産している。

「すばらしい出来で、収穫数量もある。高温障害が出るかと思ったが、きれいなコメでとてもおいしい」(稲作農家 中村寛郎さん)
「JAそらち南」によると気温が高い日が続き生育が早かったため、2024年より6日早く稲刈りが始まったという。

価格は前年より1割高
道の駅「スタープラザ芦別」では、新米の販売が始まっている。
5キロ入りで「えみまる」は4000円、「ゆめぴりか」は4500円だ。

「去年より1割以上高くなっている。このご時世では仕方ない」(道の駅 スタープラザ芦別 北坂仁美さん)
新米を購入した人は。

「価格的にはいいのではないか。新米なので」(新米を購入した人)
「ちょっと高いけれど、農家のことを考えると妥当かな」(千葉県からの観光客)

スーパーも価格の動向に注目
札幌市豊平区のスーパー「キテネ食品館月寒店」。
現在、2024年産の「ななつぼし」や「ゆめぴりか」を3000円台後半で販売している。
新米はまだ入荷していないが、その価格の動向に注目している。

「新米が5キロ4000円を超えるようだと、消費者がそれに対してどう思うか。主力商品としては2024年産のコメを引き続き売っていきたい」(キテネ食品館 中塚誠社長)
「まだ買ったコメがあるので、それを食べている。これから買うなら備蓄米」(買い物客)
「高いかもしれないが、味を重視して新米を買おうと思う」(買い物客)

8月10日までの1週間にスーパーで販売されたコメの平均価格は、5キロあたり3737円。
前の週より195円値上がりしている。

今後コメの価格は―?
今後、コメの価格はどうなるのだろうか?
政府はコメの増産に舵を切った。
農林水産省は今年の主食用のコメの生産面積が2024年より10万ヘクタール以上増え、生産量も56万トン増える見込みだとしている。
これによりコメの価格は落ち着くのだろうか?
専門家は。
「北海道ではそうでもないが、本州方面の大産地では猛暑の影響で作付面積の拡大ほどには生産量や流通量は拡大せず、価格は上昇傾向になる可能性がある」(酪農学園大学 相原晴伴教授)

備蓄米の販売期限延長は価格に影響?
農林水産省は8月末までだった随意契約の備蓄米の販売期限を延長。
小売店の店頭には5キロ2000円前後の割安なコメと、高い新米が並ぶことになる。
これにより、新米の値下がりにつながるなどの影響は?

「新米の価格が高くなることを予想して、概算金が引き上げられた。備蓄米の販売延長で供給量が増えたからといって、新米の価格が下がることには直結しない」(相原教授)
農協がコメを集荷する際に農家に前払いする概算金は、去年と比べ1.7倍以上の金額に。
小売価格にも影響がありそうだ。
