秋田県内は20日から記録的な大雨に見舞われ、仙北市で桧木内川が氾濫しました。雨のピークは過ぎ、市内の一部に出された緊急安全確保は21日朝に解除されましたが、住宅の浸水など少しずつ被害が明らかになっています。

21日午前9時までの48時間に降った雨の量は、仙北市桧木内で319ミリ、仙北市田沢湖高原で291.5ミリ、大館市で208.5ミリなど4地点で観測史上最大となりました。

菅原咲子アナウンサー:
「きのう氾濫した桧木内川です。水はすでに引いていますが、現在も流れが速い状態が続いています。そしてすぐそばの建物、がれきが数多く引っかかっていていかに激しく水が押し寄せたか見て取ることができます」

桧木内川の氾濫から一夜明けた仙北市西木町上桧木内地区です。こちらは県内を代表する冬まつりの一つ「上桧木内の紙風船上げ」の会場ですが、今回の氾濫で景色が一変しました。

建物にぶつかるようにして横たわる大きな木のほか土砂とともに流れたとみられる建物や車も確認できました。

地区に発令されていた5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」は、21日朝に解除され、住民は片付け作業に追われていました。

市によりますと、住宅や公共施設合わせて6棟で床上浸水が確認されています。

上桧木内部落会・鈴木英二さん:
「流木と土砂そういったものが非常に多いのでこのあとどういうふうにしたら良いかみんな頭悩ませているというのが現状。ここの建物も紙風船の会場もこういう状態になっているので、復旧には相当かかると思うんだけど、やっぱり役所や国の援助でできるだけ早く復旧してほしい」

また、地区の約70世帯が断水していて復旧のめどは立っていません。市は給水車を配置し対応にあたっています。

地区の住民:
「きのうの午前中から水道が止まっている。大変。家の前に給水車があるから自分は楽だけど、遠い人は大変だ」

菅原咲子アナウンサー:
「こちらは国道105号。北秋田市へつながる道路なんですが、この先一般車両は通行することができません。現在も大木が倒れているのが分かりますが、昨日の時点ではこの道路全体をがれきが覆いつくしていたということです」

また、道路への土砂の流入などが市内の各地で確認されていて、全面通行止めとなっている区間があります。

このほか、県の北部でも被害が確認されていて、大館市や鹿角市などで床上浸水が3棟、床下浸水が16棟報告されているということです。

また、田んぼや畑が冠水し農作物に被害が及んでいる恐れがあります。

各地で建物や農地の調査が進んでいて、被害はさらに広がる見込みです。

雨のピークは過ぎましたがこれまでに降った雨で地盤が緩んでいるところがあり、秋田地方気象台は土砂災害に注意するよう呼びかけています。

秋田テレビ
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