19日夜、西日本の夜空を突如照らした、まばゆい光の玉。各地で目撃されたこの現象は、気象予報士の片平敦さんによると「火球」である可能性が高いといいます。

■閃光!関西の夜空が白昼に…SNS騒然「火の玉が落ちた」

関西空港のカメラが捉えたのは、夜空を切り裂くような強烈な光。

一瞬、画面全体が白昼のように明るく染まります。SNSには「大きなオレンジ色の火の玉が落ちた」など、驚きの声が相次ぎました。

火球とは、宇宙空間に漂う小さな塵や石が、地球の大気圏に突入する際に発光する現象で、通常の流れ星よりも明るく大きなものを指します。

そう語るのは、気象予報士の片平敦さんです

【気象予報士 片平敦さん】
「流れ星の中でも、特に明るいものを火球と呼びます。金星よりも明るいものが目安ですね。今回は、非常に明るかったので、多くの方が目撃されたのでしょう。」


■大気圏突入!光を放つ神秘 「私も見たかった」気象予報士

流れ星の正体は、宇宙の塵や石。

地球の大気に突入する際、空気との摩擦で熱を発し、光を放ちます。ほとんどは燃え尽きてしまいますが、稀に燃え残ったものが隕石として地上に落下することもあるそうです。

【気象予報士 片平敦さん】
「地球には大気があるので、宇宙からの落下物を守ってくれます。ただ、もし軽自動車ほどの大きさのものが落下してくると、燃え尽きずに地上に到達する可能性もあります」


今回の火球は、数センチから数十センチ程度の大きさだったと推測されています。
地球の7割は海であるため、陸地に落下することは比較的珍しい現象だといいます。

【気象予報士 片平敦さん】
「夜の時間帯に、これほどの火球が、人が多い場所の上空で観測されるのは珍しいことです。私も見たかったですね。」

■宇宙からの脅威を監視 「スペースガード」

火球の出現は予測が難しいとされています。流星群のように、特定の時期に集中するわけではありません。

【気象予報士 片平敦さん】
「流星群は、彗星が通過した後に残された塵の帯に地球が突入することで起こります。しかし、火球は、宇宙空間に漂う、はぐれたゴミのようなものが、たまたま地球にぶつかることで起こるので、予測は難しいのです。」


もし、もっと大きな隕石が落下した場合、過去には地球規模の災害を引き起こした例もあります。現在、宇宙からの脅威を監視するシステムが存在します。

【気象予報士 片平敦さん】
「スペースガードという組織が、地球に接近する可能性のある小惑星を監視しています。危険なものが近づいてきた場合は、事前に警告が出されるはずです」

夜空を彩る美しい火球。
宇宙の神秘を感じさせる現象です

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。