鹿児島県内の最低賃金を話し合う2025年4回目の専門部会が19日、鹿児島市で開かれました。
19日は結論には至らなかったものの、労使双方の主張が出そろい、新たな鹿児島の最低賃金は初めて1000円の大台に乗る見通しとなりました。
最低賃金を巡っては、現在、鹿児島県の最低賃金は全国で3番目に低いグループとなる953円で、全国平均の1055円とは100円以上の差があります。
厚生労働省が64円の引き上げを目安として示す中、これまでの専門部会で鹿児島の労働者側は、88円の引き上げを求めています。
労働者側代表
「物価高はしばらく続きそうだということと、その物価高の影響を受けるのは最低賃金近傍の人たち。その最低賃金に近い層は鹿児島の場合は他県と比べ人数も割合も多い」
使用者側代表
「県の産業構造や経営環境を考えると、中央の一律目安をそのまま当てはめることは大きな懸念。大幅引き上げを一度に行えば人件費総額の増大を吸収できず、価格転嫁も困難であるため、事業継続や雇用維持に深刻な影響を及ぼしかねない」
そんな中、使用者側は19日、初めて最低賃金の引き上げ額を示しました。
その金額は・・・。
鹿児島地方最低賃金審議会・川口俊一会長
「使用者側からの提示の金額は(厚労省の)目安通り64円」
64円の引き上げ額は鹿児島県としては2024年度の56円を上回る過去もっとも高い上げ幅です。この通り引き上げられれば鹿児島の最低賃金は1017円となり、初めて1000円の大台に乗ることとなります。
しかし、労働者側はこの引き上げ額に同意せず、19日は結論には至りませんでした。
鹿児島地方最低賃金審議会・川口俊一会長
「労働側は物価高や生計費を重視するし、使用者側は賃金の支払い能力。特に鹿児島県は中小企業・小規模企業が多く、その負担が大きいということで、そこが隔たりの原因になっている」
結論は21日開かれる次回の専門部会以降に持ち越されました。しかし示された額で最低賃金を引き上げた場合、労使いづれの案も1000円を上回ることから新たな鹿児島の最低賃金は初めて1000円の大台に乗る見通しとなりました。