8月19日から北海道でフロアバレーボールの全国大会が開催されます。この大会に盛岡視覚支援学校(岩手県盛岡市)が東北代表として出場します。
フロアバレーとはどんなスポーツなのか。そして頂点を目指すチームの意気込みをお伝えします。
盛岡市にある視覚支援学校でフロアバレーの練習をする専攻科2年の佐藤雅也さん(19)は、視覚に障害があり「明るさが特殊、全体的に明るく見える。まぶしい所は全然見えない」と話します。
佐藤さんたちが打ち込んでいるフロアバレーボールは、チームは前衛と後衛が3人ずつの6人で構成されます。
コートの大きさは通常と同じですが、ネットは床上30cmの高さにはられていて、ボールをネットの下に通し3打以内で打ち返します。
前衛は目隠しをして条件を同じにします。
ブロックの練習では「怖いですよ、めちゃくちゃ怖いですよ。気合です」と話す佐藤さん。
生まれつき視覚に障害があった佐藤さんは、4歳から支援学校に通い、2024年、高等部を卒業し専攻科に進学しました。
盛岡視覚支援学校 佐藤雅也さん(2024年4月)
「あん摩と針と灸の免許を取るために頑張っている。勉強が一番頑張ること。フロアバレーボール部で全国大会にも行った。できるだけ高みを目指して頑張りたい」
支援学校は、ひとりひとりが自分自身の可能性を見つめる場所です。先生の中には学校の卒業生もいます。
母校の教員となった高村和人さん
「目が悪いじゃなくて、目しか悪くない。『全て悪いんじゃなくて目しか悪くないよね』ということに気づけるように授業やらないといけないと思ってた」
佐藤さんの同級生の阿部玲菜さんはチームでキャプテンを務めています。
キャプテン 阿部玲菜さん
「私は視野が狭くて真ん中しか見えていない。視界に入ってないところは全て真っ暗」
弱視の選手は後衛に配置されることが多く、状況を見ながら指示を出します。佐藤さんは「パスいく時は名前呼んで、手拍子たたいて」と説明します。
前衛の佐藤さんは「音」を頼りにプレイします。「自分は『まちゃ』って呼ばれてるんで『まちゃいくよ』って言われて」と説明する佐藤さん。
声は聞こえたもののボールが早すぎて、佐藤さんが対応できません。
次のプレイでは後衛の声かけが変わりました。ボールの到着をカウントダウンで知らせます。
相手への思いやりがプレイの精度を高めます。
盛岡視覚支援学校専攻科2年 佐藤雅也さん
「お互いの絆が大事なスポーツかなと思う」
キャプテン 阿部玲菜さん
「チーム競技でみんなで点が取れた時が一番楽しい」
仲間とのつながりを力に、盛岡視覚支援学校は2023年・2024年と2年連続全国ベスト4、2025年も東北大会を勝ちぬき更なる高みを目指しています。
全国大会を前に佐藤さんは「初戦が去年の優勝校なので目指すところは優勝しかない」と意気込みを語りました。