新図書館の工事入札を取り止めたことに伴い静岡県伊東市の田久保眞紀 市長は8月15日、現在の図書館と移転候補地とされる小学校跡を視察しました。
8月15日午前9時過ぎ。
田久保市長が訪れたのは完成から40年余りが経ち老朽化が著しい市立図書館です。
伊東市で図書館と言えば…
伊東市・田久保眞紀 市長(5月18日):
本当に42億円の図書館をあそこに1カ所建てることに使って、毎年2億円以上の維持費を皆さんが負担していく。これで本当にいいのか?それは皆さんの意思ですか?
5月に行われた市長選で最大の争点となり、新図書館の建設反対を訴えた田久保市長が初当選。
すると就任初日に行われた会見で…
伊東市・田久保眞紀 市長(5月29日):
新しい図書館の建設は中止とここで意思表明させてもらい、速やかにそのような手続きに入っていく
翌日には新築工事に関わる入札が中止されました。
一方、7月2日に開かれた市民との対話集会では。
伊東市・田久保眞紀 市長(7月2日):
温泉カフェという形で温浴施設を造りながら、そこに図書館を併設するといったことを自治体と一緒になってやっている事業体があった。非常に伊東には良いのではないかと思い、伊東で出来ないかどうか実現の方向性を探っている
こうした中で行われた15日の視察。
田久保市長は職員から説明を受けながら雨漏りの状態やメンテナンスの状況を自らの目で確かめました。
そして、旧西小学校跡で設備の状況を確認した後、温泉カフェ構想について問われると。
伊東市・田久保眞紀 市長:
あくまで一案で他の市町でやっている事例として非常に興味深いと思った。すべて民間の投資で建物も建てて民間の運営でやっているので、ほとんどこちら側(行政)のお金がかからないという意味では非常に良い案だと思っているので1つの政策事例として興味深く注目している
ただ、選挙戦では新図書館を念頭にハコモノ行政からの脱却を掲げていた田久保市長。
伊東市・田久保眞紀 市長:
ハコモノというのはあくまでもすべての建物を否定するものではない。建てても活用されなかったり、建てたのに費用対効果が見合わないものをハコモノと呼んでいるだけで、すべての建物を否定する、公共施設そのものを否定することではない
その上で民間の投資を呼び込める案を市民に示したいと話しています。