長野市内の住宅で「多頭飼育崩壊」が発生し、これまでに38匹の猫が保護された。飼い主は1人暮らしの60代男性で7月末に突然体調を崩して入院し、親族が訪ねると、物やごみが散乱した室内に多数の猫がいたという。保護した保健所は緊急譲渡会を開き、猫たちを救ってほしいと呼びかけている。

糞尿の臭い、ごみ散乱…多数の猫が

長野市動物愛護センター。ケージがぎっしりと並んだ部屋には、多くの猫たちが―。

長野市内の一軒の住宅で飼育されていて、保護された。

保護されたネコ 長野市動物愛護センター
保護されたネコ 長野市動物愛護センター
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飼い主は1人暮らしの60代男性。7月末、突然体調を崩して入院し、県外にいる親族に「猫たちが心配」と連絡。親族が訪ねると、物やごみが散乱した室内に多数の猫がいたという。

住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所
住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所

長野市動物愛護センターの関口徳之課長補佐は「割と大きな一軒家で糞尿の臭いが立ち込めてそこに猫がたくさんいた。日差しが当たらない家だったので直射日光が避けられた分、涼しい感じだった」と、当時の様子を話す。

2歳から10歳の38匹の猫を保護

猛暑が続く中での「多頭飼育崩壊」。

親族から連絡を受けた長野市保健所は、7月31日からこれまでに2歳から10歳までの38匹を保護した。

住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所
住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所

エアコンもない室内だったが、心配した熱中症などの症状はなかった。

この日も数匹を保護した。不妊手術を受けたばかりの猫も…

ゲージには7匹がいたが、一気に収容限度の40匹を超えていた。

引き取り手を募集 緊急の譲渡会

センターは8月16日午前10時から緊急の譲渡会を開くことにした。

関口課長補佐は、「ここから新たに猫を保護、引き取らなければいけないケースも出てくると思うので、どなたか、愛情豊かな方にもらっていただけると非常に助かります」と呼びかける。

保護されたネコ 長野市動物愛護センター
保護されたネコ 長野市動物愛護センター

世話をするボランティアは、「びっくりしちゃった、こんなに増えてて。こうやって手から舐められるので人は怖がっていない。(飼い主に)ご飯はもらってたのかな」と保護された猫たちの健康状態を心配する。

飼い主は社会的に孤立

福祉とも繋がらず社会的に孤立した飼い主。多頭飼育は近所の住民も気づかない中で、少なくとも10年ほど前から続いていたとみられる。

住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所
住宅で「多頭飼育」 提供:長野市保健所

センターは「猫を飼育している人は不幸な猫が増えないよう不妊・去勢手術を考えてほしい」としている。

(長野放送)

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