農事組合法人の牛舎建設をめぐる訴訟で、阿蘇市が敗訴して支払った損害賠償金について当時の佐藤 義興市長が8300万円あまりを支払うよう命じられた裁判についてです。
補助参加人として裁判に関わる佐藤前市長はこれを不服として上告していますが、被告の阿蘇市は上告しない方針を12日示しました。
この裁判は、農事組合法人の牛舎建設をめぐり国からの補助金の交付を取り消した阿蘇市がその後の訴訟で敗訴し損害賠償金の支払いを命じられたことについて、阿蘇市の住民団体が当時の佐藤 義興市長に賠償金を支払わせるよう市に求めたものです。
一審の熊本地裁は、阿蘇市がこれまでに支払った賠償金などのうち、8300万円あまりを佐藤前市長に請求するよう市に命じましたが、市が福岡高裁に控訴。
福岡高裁が7月、一審の判決を支持し、阿蘇市の控訴を棄却していました。
被告の補助参加人である佐藤前市長が「国家賠償法と地方自治法の適用に疑問が残る」として8月2日付けで上告。
阿蘇市の判断に注目が集まる中、松嶋 和子市長は12日、上告しない方針を示しました。
【阿蘇市 松嶋 和子 市長】
「最高裁は法律審。憲法違反ではないか最高裁判例に反していないかを見るところ。
事実認定に変わりはなく、判決が覆る見込みはないものと判断した」
また、佐藤前市長の上告については「独自の判断」とし、一切費用負担せず、動向を静観するとしています。