熊本県は災害対策本部会議を開き、11日甲佐町で発生した土砂崩れに巻き込まれた男性の死亡を発表しました。
一連の記録的な大雨による県内の死者は2人になりました。
甲佐町では11日、車で避難中だった家族4人が土砂崩れに巻き込まれました。
母親と子ども2人は救助されましたが、父親が行方不明となっていて、現場から男性が心肺停止の状態で見つかっていました。
県によりますと、見つかった男性は行方不明の父親で死亡が確認されたということです。
熊本市では北区と南区で2人が行方不明となっています。
【古閑 康弘 記者】
「熊本市北区にある井芹川です。後ろに見える橋脚のところで車が見つかったということで捜索が続いています」
北区貢町では車ごと男性1人が西浦川に流されたとみられ、12日、警察と消防が現場から下流の北区釜尾町・井芹川で車を発見しましたが、男性は見つからなかったということです。
【堂前 泉紀 記者リポート】
「熊本市南区を流れる浜戸川です。川の水は茶色く濁り、岸には木など様々なものが
流れ着いているのが確認できる中で、警察による捜索が行われています」
一方、南区城南町でも男性1人が浜戸川に流されたとみられ、警察と消防が12日も
現場周辺を捜索しましたが、発見には至っていないということです。
熊本県や熊本市、警察や消防などによりますと、一連の大雨で八代市と甲佐町でそれぞれ1人が死亡。
心肺停止が熊本市で1人、行方不明者が熊本市で2人、玉名市で1人となっています。
また、県内では、八代市、天草市、宇城市、甲佐町、御船町、山都町、美里町の3市4町で、孤立集落が起きていて、それぞれの自治体が飲み水などの輸送を行っています。
また、熊本県は、八代市の興善寺町と泉町下岳で土石流が確認されたと12日、発表しました。
交通機関への影響も続いています。
JR九州によりますと、九州新幹線は始発から通常通り運転。
在来線も本数を減らすなどして順次再開しているものの、鹿児島本線の荒尾から植木までは12日も終日、運転を見合わせています。
線路に流入した土砂の撤去作業などを行っていて、玉名から植木までは、13日午前9時頃に再開する予定ですが、荒尾から玉名については未定だということです。
また、路線バスはほとんどが通常通り運転していますが、冠水などの被害により見合わせとなっている路線もあります。
産交バスによりますと、八代市にある営業所が床上浸水したり車両が水に浸かったりしていてバスの運転が終日見合わせとなっています。
多数の車両が使えなくなっている恐れがあるということです。産交バス提供
九州自動車道は土砂崩れなどの影響で松橋インターと人吉インターの間南九州道は
八代ジャンクションと八代南インターの間で上り・下りともに通行止めとなっています。
NEXCO西日本によりますと、再開の目途はたっていないということです。